• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

超微量貴金属元素の海洋地球化学挙動とシステマティックスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13304045
研究機関東京大学

研究代表者

小畑 元  東京大学, 海洋研究所, 講師 (90334309)

研究分担者 佐野 有司  東京大学, 海洋研究所, 教授 (50162524)
キーワード貴金属元素 / 白金 / 河口域 / 太平洋 / 同位体希釈-ICP質量分析法
研究概要

これまでに十分なデータが得られていなかった海水中の超微量貴金属元素の分布と挙動を明らかにし、海洋における物質循環過程の全体像を把握することが本研究の目的である。
本研究によってこれまでに確立されてきた同位体希釈-ICP質量分析法(ID-ICPMS)を用いて、今年度は太平洋外洋域や東京湾河口域における白金の分布と挙動を研究した。日本海溝上の観測点で採取した海水中の白金の定量を行った。この結果、表層から深層にかけての白金濃度は03.-1pMの範囲内の値を示した。これまでに太平洋東部や大西洋において報告されている値とほぼ同程度であることが分かった。鉛直分布は表層でやや濃度が低く、深層で高くなる傾向を示した。しかし、この日本海溝の観測点では陸原物質の水平輸送がトラップ実験などから観測されており、その影響を受けている可能性がある。同じ方法を用いて世界の様々な海域で白金を測定することが、今後の課題である。
また、東京湾河口域での観測を継続して行ってきたが、河口域への白金の供給を調べるため、降雨中の白金の濃度を測定した。この結果、降雨中の溶存態白金は0.1-0.7pMと非常に低濃度であり、直接的な供給源としては、あまり重要ではないことが明らかになった。また、東京湾への流入河川である荒川の上流域における白金の分布も調べたが、0.1pMという極めて低い値を示した。東京湾河口域で観測された高い白金濃度は人為的な汚染によるものか、粒子態白金の溶解によると考えられる。
海水中の超微量貴金属元素の分布と挙動を解析するためには、その海域の海洋学的特徴を調べる必要がある。本年度はアンダマン海におけるトリウムの鉛直分布を調べ、この海盆では数年のスケールで深層水が交換していることを明らかにした。早い深層水の交換は超微量金属元素の分布と挙動に対しても関わっていると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 海水中の白金に関する分析化学的アプローチ2005

    • 著者名/発表者名
      小畑 元, 田副 博文, 吉田 哲章
    • 雑誌名

      月刊海洋 号外39

      ページ: 88-94

  • [雑誌論文] ^<230>Th in the Andaman Sea : Rapid renewal2004

    • 著者名/発表者名
      Okubo, A., H.Obata, Y.Yamamoto, Y.Nozaki
    • 雑誌名

      Geophysical Research Letters 31

      ページ: L22306

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Silver in the Pacific Ocean and Bering Sea2004

    • 著者名/発表者名
      Zhang, Y., H.Obata, Y.Nozaki
    • 雑誌名

      Geochemical Journal 38・6

      ページ: 623-633

  • [雑誌論文] Discovery of a new hydrothermal venting site in the southernmost Mariana Arc : Al-rich hydrothermal plumes and white smoker activity associated with biogenic methane.2004

    • 著者名/発表者名
      Gamo, T., 他15名
    • 雑誌名

      Geochemical Journal 38・6

      ページ: 527-534

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi