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2001 年度 実績報告書

超短パルス電子回析法による強光子場中の化学反応制御

研究課題

研究課題/領域番号 13304048
研究機関東京大学

研究代表者

山内 薫  東京大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40182597)

研究分担者 星名 賢之助  東京大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60292827)
キーワード気体電子回折 / 分子散乱強度 / 分子配向 / 強光子場 / パルス電子銃
研究概要

本年度は、研究計画の通りパルス電子回折装置によって分子の電子回折像の観測を行い、以下の成果をあげた。
(1)ナノ秒パルスレーザー光(Nd:YAGレーザー光)を電子銃の陰極表面に照射し、高速電子線(20-40KeV)をパルス状に発生させることに成功した。電子線のパルスの時間幅を測定したところ約7nsであり、これは照射したレーザー光のパルス時間幅と一致するものであった。
(2)生成したパルス電子線をArガスや四塩化炭素(CCl_4)のパルスビームに照射し、得られる電子錯乱を、インテンシファイアー付きのCCDカメラによって二次元画像の形で取りこみ積算を行ったところ、電子回折像を十分なS/N比で観測することが出来た。
(3)二硫化炭素(CS_2)のビームを別のYAGレーザーによって生成したパルス強光子場下にさらした。そして、その状態にあるCS_2の電子解析像をパルス電子線によって観測することに成功した。これは、強光子場下にある分子の電子回折像の観測として世界で最初の例である。
(4)得られた電子回折像を解析したところ、分子錯乱強度のパターンは同心円状のものから歪んでいることが明らかになった。その歪の状況は、直線状分子であるCS_2が強レーザー場の偏光軸方向にその分子軸を揃えるという配向現象が起こったことを示している。
(5)強光子場のもとでは分子はその方向を光子場の偏光方向に揃えることが理論的に予測されていた。上記の観測はそのことを回折像の観測という直接的な方法で示したことになり、その意義は極めて大きい。上記の内容を論文としてまとめChem. Phys. Lett.誌に投稿したところ、その重要性がただちに認められ、同誌2月号に2つの報文として発表された。(次ページ参照)

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Yamanouchi: "The next frontier"Science. 295. 1659-1660 (2002)

  • [文献書誌] Kennosuke Hoshina: "Direct observation of molecular alignment in an intense laser field by pulsed gas electron diffraction I : observation of anisotropic diffraction image"Chem. Phys. Lett.. 353. 27-32 (2002)

  • [文献書誌] Kennosuke Hoshina: "Direct observation of molecular alignment in an intense laser field by pulsed gas electron diffraction II : analysis of anisotropic diffraction image"Chem. Phys. Lett.. 353. 33-39 (2002)

  • [文献書誌] H.Hasegawa: "Coincidence imaging of Coulomb explosion of CS_2 in intense laser fields"Chem. Phys. Lett.. 349. 57-63 (2001)

  • [文献書誌] A.Iwasaki: "Real time probing of alignment and structural deformation of CS_2 in intense laser fields"Chem. Phys. Lett.. 346. 379-386 (2001)

  • [文献書誌] A.Hishikawa: "Light-induced multiple electronic-state coupling of O2^+ in intense laser fields"Chem. Phys. Lett.. 114. 9856-9862 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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