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2003 年度 実績報告書

ナノスケール共役分子ワイヤーの開発と機能探索

研究課題

研究課題/領域番号 13304051
研究機関広島大学

研究代表者

大坪 徹夫  広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80029884)

研究分担者 瀧宮 和男  広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40263735)
安蘇 芳雄  大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60151065)
キーワードナノスケール分子 / 分子ワイヤー / 分子素子 / クラーウンエーテル / オリゴチオフェン
研究概要

本研究では、明確な構造を持つナノメートルサイズの共役オリゴマー分子を先端機能材料の観点から開発し、導電材料、光電変換材料、電界発光材料、非線形光学材料、電界効果トランジスター材料など多彩な分子エレクトロニクス材料の応用へと発展できることを目標にしている。前年度までの研究では、基盤となるナノ共役分子として長鎖オリゴチオフェン系に着目し、96量体までの一連のオリゴチオフェンの合成に成功した。さらに、これらの長鎖オリゴチオフェンの官能化に取り組み、電子やエネルギーの流れを自由に制御できる分子ワイヤーの開発を目指している。その成果の一つとして、オリゴチオフェンの一端にポルフィリン、他端にフラーレンを付けた三元系化合物の研究を行った。ポルフィリン部を光励起すると、励起された電子がオリゴチオフェン部を経て、フラーレン部へ高効率で移動することを見いだした。すなわち、オリゴチオフェンが優秀な分子ワイヤーとして働くことが分かった。本年度は、オリゴチオフェンの分子ワイヤーとしての機能を外部刺激によりコントロールできる系へと展開することを目指した。そのような系としてオリゴチオフェンの中央の環にクラーウンエーテルを付与することを考えた。クラーウンエーテル部でアルカリ金属を捕捉することによりオリゴチオフェンの分子ワイヤーとしての性能をコントロールすることができる。実際に、ポルフィリン/クラーウンエーテル付きオリゴチオフェン/フラーレン三元系を合成し、ポリフィリンからフラーレンへの光誘起電子移動がクラウンエーテル部でのナトリウムイオン捕捉により、大きく変わることを見いだした。すなわち、クラーウンエーテル付きオリゴチオフェンはゲート付き分子ワイヤーとして機能することが分かった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shin-ichiro Sadaike: "TTF-porphyrin dyads as novel photoinduced electron transfer systems"Tetrahedron Letters. Vol.44. 161-165 (2003)

  • [文献書誌] Tetsuo Otsubo: "Synthetic studies of extraordinrily long oligothiophenes"Synthetic Metals. Vol.133. 325-328 (2003)

  • [文献書誌] Nobukazu Negishi: "Oligothiophene/fullerene dyads as active photovoltaic materials"Chemistry Letters. Vol,32. 404-405 (2003)

  • [文献書誌] Tsuyoshi izumi: "Synthesis and spectroscopic properties of a series of beta-blocked long oligothiophenes up to the 96-iner"Journal of American Chemical Society. Vol.125. 5286-5287 (2003)

  • [文献書誌] Katsuichi Kanemoto: "ESR studies on polarons in long oligothiophenes"Physical Review B. Vol.68. 092302 (2003)

  • [文献書誌] 大坪徹夫: "次世代エレクトロニクス素子に向けたナノ共役分子の開発と機能"未来材料. 3巻12号. 14-20 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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