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2001 年度 実績報告書

スピン整流効果を示す超構造スピン分極ドナーの創成

研究課題

研究課題/領域番号 13304056
研究機関東京大学

研究代表者

菅原 正  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50124219)

研究分担者 川田 勇三  茨城大学, 理学部, 教授 (10152969)
松下 未知雄  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80295477)
キーワードスピン分極ドナー / 磁性 / 導電性 / 超分子 / 分子素子 / 磁性金属 / 多重項 / 量子効果
研究概要

13年度は、スピン分極ドナーの拡張と、その物性評価のための測定系の開発を行った。
1.スピン分極ドナーETBNのイオンラジカル塩、ETBN_2・ClO_4・TCE_<0.5>の結晶中における伝導電子とスピンの相互作用を検討するため、現有のSQUID磁束計に挿入する伝導度用プローブを新たに作成し、温度2〜400K、磁場0〜±5Tの条件下での抵抗測定を可能とした。この塩の半導体的な伝導挙動(Ea=0.04eV)から、50K以下の低温域で抵抗値が測定限界を超えるために、磁場効果を十分に評価できなかったものの、このような高抵抗状態の試料に高電圧(〜200V)を印加すると、抵抗値が可逆的に大幅に減少する興味深い現象を見出した。
2.より高い伝導度が期待されるテトラチアペンタレン型スピン分極ドナーを設計し、その合成に成功した。この分子が、1電子酸化状態において基底3重項を示すことを、ESRスペクトルの温度依存性から明らかにし、スピン分極ドナーとしての電子構造を持つことを確認した。
3.ドナー上でのスピン分極をさらに増大すべく、TTF骨格に、四つのラジカル部を導入したテトララジカルドナーを設計し、大量合成法を確立した。さらに、光学測定用電解セルを作成し、CVとUV-Vis-NIRスペクトルを同時に測定することで、酸化還元に伴う電子構造変化を詳細に検討した。
4.超構造スピン分極ドナーを、金-チオール相互作用により金電極に結合させるため、モデル分子として、チオール前駆体を置換したターチオフェン及びフェニルニトロニルニトロキシドを合成した。これらの分子が金基板上に吸着すること、及び、ラジカルが基板への吸着過程において失活しないことを、表面プラズモン共鳴、ESR、IR、及びCVを用いて多角的に確認した。
以上、当初の計画に従って、分子の合成及び測定系の立ち上げを順調に行うことが出来た。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 菅原正, 松下未知雄: "超分子化学は何を目指すか"化学と教育. 50巻2号. 94-97 (2002)

  • [文献書誌] 菅原正, 中崎城太郎: "化学フロンティア(5)分子ナノテクノロジー、有機量子スピン素子の開発と設計"化学同人(印刷中). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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