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2002 年度 実績報告書

生理過程からスケールアップした冷温帯林生態系の撹乱・環境応答:ふたつの大陸東岸の比較解析

研究課題

研究課題/領域番号 13304060
研究機関北海道大学

研究代表者

甲山 隆司  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (60178233)

研究分担者 日浦 勉  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教授 (70250496)
大崎 満  北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60168903)
竹中 明夫  国立環境研究所, 生物圏環境部, 室長 (00188202)
彦坂 幸毅  東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (10272006)
俵谷 圭太郎  山形大学, 農学部, 助教授 (70179919)
キーワード光合成特性 / 菌根菌 / 群集構造 / 栄養動態 / シュート構造 / シュートベースモデル / 多変量解析 / 落葉広葉樹林
研究概要

1.冷温帯林の樹種ごとの空間分布パターンの解析
長命で固着性の生物の共存を可能にするメカニズムのひとつとして、繁殖の時間変動の効果が考えられている。個体の死亡によってできた空き地は、たまたまその時点で多くの繁殖子を散布した種が占めるとすると、希少種の個体数がときおり大きく挽回することが可能になり、共存が促進される。個体ベースモデルを使ったシミュレーション実験の結果、種子が親木の周辺に集中して散布されるような場合でもこのメカニズムが働きうることが示された。北海道大学苫小牧研究林の落葉広葉樹林をフィールドとして、上層木と林床の稚樹との種構成の関係の解析を開始した。調査対象の林分では、20種程度の樹種が高木層を形成している。この程度の種多様性は、多種の共存メカニズムの解析に適したものと考えられる。
2.高二酸化炭素条件がカラマツの根圏機能に与える影響
いままでの研究より高CO_2によって,根重、根長や根の呼吸量が増加することが報告されており、根圏の機能が高CO_2環境下の植物の生育に関して重要な役割を果たしているのではないかと推測されている。根の養分吸収および養分吸収に様々な影響を与えている土壌微生物の生態に注目して高CO_2環境下における植物の生長、および生理的応答を解析した。また、撹乱処理が林床植物のアーバスキュラー菌根形成に及ぼす影響について調査した。2001年4月に北海道大学苫小牧研究林に伐採、施肥、伐採・施肥および無処理の4処理区を設け、2002年8月末に各処理区の林床から草本植物の根系を採取し、すべての植物種でアーバスキュラー菌根形成が認められた。
3.森林の撹乱応答
苫小牧研究林の落葉広葉樹二次林に伐採・施肥処理を施し、林床植物の成長と繁殖に及ぼす影響を検証した。その結果、春植物の成長・繁殖は士壌養分が制限要因となっており、夏植物は光資源が制限要因となっていることが明らかとなった。リター混合と撹乱が窒素無機化に及ぼす効果を検証した結果、春植物と樹木の混合には負の効果が見られたが、夏植物との混合には有為な影響はなかった。また、伐採と施肥の効果は検出されなかった。人工ギャップを作り、林床草本・稚樹の葉の形態的・生理的応答を解析した結果、成熟葉の窒素含量、葉の厚さ、光合成速度が可塑的に変化する種とそうでない種があることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Miyake, Y.: "Successional pattern of stream invertebrate community"Ecological Research. (in press).

  • [文献書誌] Ishii, H.: "Exploring the relationship between canopy structure, stand productivity and biodiversity of natural forest ecosystems : Implications for conservation and management of canopy ecosystem functions"Forest Science. (in press).

  • [文献書誌] Miyazaki, Y.: "Translocation of photoassimilated 13C between reproductive shoot and non-reproductive shoot in relation to sink activity in angiosperm tree, Styrax obassia"New Phytologist. (in press).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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