研究分担者 |
日浦 勉 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教授 (70250496)
大崎 満 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60168903)
小池 孝良 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (10270919)
彦坂 幸毅 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10272006)
竹中 明夫 国立環境研究所, 生物圏環境部, 室長 (00188202)
|
研究概要 |
森林生態系の自律的維持機構と環境応答のメカニズムを統合的に理解するために,光合成系,通導支持系,栄養獲得系の生理素過程から個体・群集動態にスケールアップしたアプローチを取った.(TOEF=北海道大学苫小牧研究林) 1.栄養獲得系のOTC実験.屋外の二酸化炭素負荷処理実験を長期に亘って実施し,栄養獲得系に及ぼす影響を評価した.高二酸化炭素による現存量増加は,窒素吸収量の増加と対応しており,これは根系現存量の増加だけで説明できた. 2.光合成系の光応答実験.TOEFにおいて,光順化を人工ギャップによって調べた.高木種では光合成や窒素含量が増加したが,つる植物は変化しなかった. 3.通導支持系の観測とモデル化.TOEFのホウノキを対象に,シュートの動態の追跡観測から,分枝発達のルールを抽出した.これにもとづいて,分枝発達のモデルを構築し,適応的な通導支持系形成のメカニズムを明らかにした. 4.シュートベースモデル.トドマツを模したPipeTreeの改良とともに,TOEFのトドマツ壮齢林分でパラメータを得るための樹冠観測を行なった. 5.葉群光合成モデルに窒素の最適再分配機構を組み込んだモデルを完成させた. 6.群集・生態系スケール.TOEFの落葉樹林に伐採による大規模撹乱処理区と施肥区を設け,群集成立過程を定量的に解析した.高木と草本のあいだの組成の関連や,環境変化応答の種差を検出して,モデル化した.
|