研究課題/領域番号 |
13304061
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
和田 正三 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (60011681)
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研究分担者 |
加川 貴俊 さきがけ研究21, 専任研究員 (70271533)
鐘ヶ江 健 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (70264588)
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キーワード | 葉緑体光定位運動 / シダ / 光合成 / 青色光受容体 / フォトトロピン / コケ / 突然変異体 / phy3 |
研究概要 |
葉緑体強光反応の生理学的意義の解析 強光反応の欠損したphoto1,phot2の二重突然変異体、葉緑体運動が欠損したchup1突然変異体を使用し、強光下におけるシロイヌナズナを観察した。その結果、強光を10時間照射された突然変異体の葉は両者ともネクローシスを起こしたが、対照の野生型には影響は見られなかった。また強光照射の影響からの回復も野生型と突然変異とでは大きな差がみられ、この結果から植物の生存にとって、葉緑体光逃避運動は非常に重要な意味を持っていることが明らかになった。 シダミオシン遺伝子の単離 葉緑体運動への関与が強く示唆されるミオシンの分子種を決定するために、昨年に引き続きシダからミオシン遺伝子を単離し、少なくとも合計6種類のミオシンがシダには存在することが明らかになった。 シダphy3機能の解析 phy3がシダの赤色光依存の葉緑体光定位運動、および光屈性の光受容体であることが、突然変異体の解析、およびそのphy3遺伝子による機能回復の解析から判明した。またphy3遺伝子のシダ植物における分布を調べた結果、phy3は進化的に進んだシダには存在するが、比較的原始的なシダには見つからないことから、phy3はシダの進化の過程で偶然獲得され、その結果シダは林の下など、光条件の悪い場所にも生息できるようになり、結果として大いに繁栄することになったと推論された。
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