3年間にわたる研究計画の最終年度として、ほぼ十分な成果をあげることができた。まず、初年度で導入した作製装置を活用して種々な形状を持つガラスキャピラリーを作製し、既設のRBS装置にキャピラリーを装着した。nm-RBSを実現するために必要なビームラインの改造、サンプルステージの製作などは昨年度すでにできあがっているので、スムーズに試験研究をスタートすることができた。 種々の形状を持つキャピラリーを信頼性よく作ることができるようになり、新たに導入したキャピラリー観察装置によってその寸法・形状の計測も日常的に行えるようになった。出口の口径は1μm〜100nm程度である。 昨年度行った上記キャピラリーによるMeV領域の高エネルギーイオンの透過特性の測定結果は、ある意味で驚くべき良い結果ではあったが、その後の調査によるとガラス内壁の帯電が作用しているらしいことが判明した。いずれにしても、直径が1mm程度のイオンビームをガラスキャピラリーで収束し、通常のRBS測定が行えることを確認し、LSIのテストパターン測定によって横方向の分解能も確認している。以上によって本研究の目標は達成され、広範囲の応用研究を到達範囲内に捕らえたと言える。
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