研究分担者 |
楊 明 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (90240142)
益田 秀樹 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (90190363)
奥村 次徳 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (00117699)
角田 陽 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (60224359)
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研究概要 |
本研究では,従来提案者らが実施してきた分子の自律的整列による平滑面創成を進展させ,ナノテクスチャーの創成技術として展開をめざしている.本年度は,以下のことを明らかにした.(1)Si基板上に単結晶Siあるいは単結晶SiCをホモおよびヘテロエピタキシャル成長させる場合それぞれについて,予め種々の規則的形状を与えてポテンシャルエネルギ場の大きさや方向を制御した基板に分子をエピタキシャル成長させ,この成長方向と成長停止位置を制御し,ポテンシャルエネルギ場の変化が原子配列状況に及ぼす影響を実験的に体系化した.このうち,アセチレンガスとSi表面を反応させてSiC炭化層を形成した後に基板温度1000℃程度でエピタキシャル成長したSiC面の化学結合状態を測定したところ,80%以上のSi-C結合でかつ不純物の少ない単結晶相であることを確認した.SiC成長前の炭化層表面には1辺数マイクロメートルの3角形状のピットが形成されているが、これらはSiCの成長の進行にともなって消滅した.SiC成長面の摩擦特性を調査したところ,SiC面はSi表面に比べて耐摩耗性が高かった.また,SiC成長面の硬度はSiCバルク材の硬度とほぼ同程度であることが明らかとなった.したがって,本研究で作製したSiC面は良好な機械的特性を有していることが明らかとなった.(2)創成過程の詳細な観察および理論的解析を行い,付着分子成長の自己組織機能によるナノテクスチャリング機構の解明をはかった.(3)創成されるナノテクスチャー面の物性と機械特性と評価することでその有効性を検証した.
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