研究分担者 |
山口 央 サテライト・ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 非常勤研究員
松尾 繁樹 徳島大学, 工学部, 助手 (20294720)
JUODKAZIS Saulius 徳島大学, 工学研究科, 助手 (80332823)
VYGANTAS Mizeikis サテライト・ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 非常勤研究員
ANDRIUS Marcinkevicius サテライト・ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 非常勤研究員
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研究概要 |
本申請研究ではDNA鎖の物性物理を明らかとするとともに,DNA鎖を用いたナノアクチュエーター開発を目指している。今年度は特に,光の放射圧を利用したDNA鎖伸縮挙動測定システムの開発を行った。 (1)金コロイド修飾DNA分子の合成および基板への固定化手法の確立 光の放射圧を駆動力としてDNA鎖を伸縮させるためには,基板上へ固定化したDNA鎖の末端に金コロイドを修飾する必要がある。金コロイドおよび金薄膜に対するDNA分子の接着はビオチン/アビジンの抗原抗体反応,およびチオール基を利用した化学結合により行った。原子間力顕微鏡(AFM)および表面プラズモン共鳴(SPR)分光法により金薄膜上における金コロイド修飾DNA分子の固定化を確認した。 (2)光の放射圧によるDNA伸縮操作システムの開発 Nd : YAGレーザーと光学顕微鏡からなる光マニピュレーション装置を用いたDNA伸縮操作システムを開発した。確認のために水溶液中でλDNAのマニピュレーション操作を行ったところ,光を用いてDNA分子を捕捉,運動操作可能であることを見出した。 (3)SPR測定システムの開発 金薄膜-金コロイド間の距離を光によって制御し,それぞれにおけるSPR信号を検出する。He-Neおよびハロゲンランプを光源としたSPR測定システムを開発し,金薄膜上に固定化した金コロイド修飾DNA分子の挙動を観察したところ,一本鎖と二本鎖のDNA分子ではSPR信号に顕著な差が現れることを確認し,鎖状態によってDNA分子の物性(長さや弾性)に違いが生じることが示唆された。DNA分子の二本鎖形成反応がナノアクチュエーターの駆動力として有効であると考えられるため,一本鎖,二本鎖状態での詳細な物性評価を次年度行う予定である。
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