研究課題/領域番号 |
13305019
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
日高 邦彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90181099)
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研究分担者 |
松岡 成居 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10114646)
千葉 政邦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20011140)
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キーワード | ガス絶縁 / 低環境負荷 / 電力機器 / SF_6ガス / CF_3Iガス / N_2混合ガス / 絶縁破壊電圧 / V-t特性 |
研究概要 |
実用的な送電路・変電機器を念頭におき、特性把握があまり進んでいないガスギャップの絶縁破壊電圧の確率分布や、急峻過渡過電圧(VFTO)を含む電圧-時間(V-t)特性についての混合比依存性を明らかにし、また、従来ほとんど手がつけられていなかった固体絶縁支持物(スペーサ)沿面における絶縁特性の混合比依存性および、電極のコーティング効果についても検討を行うために、新たに、方形波パルス電源を導入することにした。その最適仕様を十分吟味した結果、以下の仕様が実現可能であることが判明した。電圧波形:方形波、可変電圧範囲:40〜200kVの範囲で連続可変可出力、電圧極性:正・負切替可能、パルス幅範囲:10μs以上で連続可変パルス幅、方形波立上がり時間:20ns以下、方形波降下率:2.5%以下、方形波平坦率:5%以下。 同電源を用い、これまでにSF_6-N_2混合ガスならびにCF_3I-N_2混合ガス中でV-t特性の測定を行った。放電遅れ時間30ns以上の長時間領域では、SF_6ガスに対し40%以下のN_2ガスを混合しても絶縁性能の大きな低下は見られない。しかし放電遅れ時間30ns以下の短時間領域では、僅かなN_2ガスの混合によっても絶縁性能が大きく低下する。すなわちVFTO等の急峻なサージに対してはSF_6-N_2混合ガスは絶縁特性上不利といえる。一方で大気圧でのCF_3Iガスの絶縁性能はSF_6ガスに勝り、CF_3Iガスに対し40%のN_2ガスを混合してもなお純粋SF_6ガスと同等の絶縁性能を示す。ただしN_2ガスの混合による絶縁性能の低下割合は大きく、60%のN_2ガスを混合した時点で同じく60%のN_2ガスを混合したSF_6-N_2混合ガスと同程度の絶縁性能となる。
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