最新の情報処理技術を用いた社会基盤構造物維持管理システムの世界標準化

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13305030
• 研究機関: 山口大学
• 研究代表者: 宮本 文穂 山口大学, 工学部, 教授 (10093535)
• 研究分担者: 中村 秀明 山口大学, 工学部, 助教授 (20207905) ; 浜本 義彦 山口大学, 工学部, 教授 (90198820)
• キーワード: 社会基盤構造物 / 維持管理システム / 最新情報処理技術 / 調査・点検 / 診断 / 補修・補強 / 画像処理 / 世界標準化

研究概要

本研究の目的は、今後増えるであろう社会基盤構造物(例えば、道路、橋梁、鉄道、港湾、河川、空港、ダム、上下水道など)の維持管理を合理的かつ世界的に行う枠組みを作ることにある。すなわち、我が国が持っている維持管理に関わる技術を世界に発信するとともに、維持管理の先進国である欧米の技術や情報を取り入れ、より合理的な補修材料や補修・補強工法の開発、維持管理のためのシステム作りを行い、維持管理技術の世界標準化を行うものである。平成14年度は、平成13年度に行った各国における構造物維持管理の現状調査結果に基づいて、構造物維持管理支援システムの世界標準化に向けた以下の各項目についての研究を実施し、それぞれ有用な結果を得た。
(1)点検・診断項目の世界標準化:カナダ、イギリス、ポーランドなどから維持管理を専門とする研究者を招聘するとともに、アメリカ、台湾、中国、ドイツなどの研究機関に出向き、各国の社会基盤構造物維持管理の現状調査を行った。これらを利用して世界標準データベースに必要な点検項目と診断プロセスを確定した。
(2)診断技術や補修・補強技術の他国への適用性検討:イラン、オーストラリアなどの研究者と交流し、日本とは構造物の利用および環境条件が大きく異なる国への維持管理技術の適用を試みるため、本研究で検討している診断技術や補修・補強技術との差異に細部にわたる比較検討を行った。
画像処理技術を用いた損傷データの定量化手法の開発:各国で収集された各種社会基盤構造物の損傷データを定量化するための画像処理技術の開発を行うとともに、これらを利用したバーチャルリアリティ(VR)劣化、損傷知識伝承システムを構築した。

研究成果

• [文献書誌] Ayaho MIYAMOTO: "PRACTICAL BRIDGE MANAGEMENT SYSTEM IN JAPAN (J-BMS)"Proceeding of Bridge Maintenance, Safety and Management. No.140(CD-ROM). 1-12 (2002)
• [文献書誌] Hideaki NAKAMURA: "DEVELOPMENT OF AUTOMATIC DRAWINGS SYSTEM FOR HIERARCHY MODEL AND ITS INTEGRATION IN THE MAINTENANCE DECISION SUPPORT SYSTEM"Proceeding of Bridge Maintenance, Safety and Management. No.84(CD-ROM). 1-8 (2002)
• [文献書誌] Ayaho Miyamoto: "LCC BASED BRIDGE MANAGEMENT SYSTEM FOR EXISTING CONCRETE BRIDGES IN JAPAN"交通建設延壽政策與技術検討會(台湾). 1-12 (2002)
• [文献書誌] 白倉篤志: "FISM/fuzzyによる構造物診断のための階層構造モデル作成の効率化"土木学会論文集. No.721、VI-57. 221-226 (2002)
• [文献書誌] 宮本文穂: "ライフサイクルコストを考慮した耐震設計の考え方"コンクリート構造物の耐震性能照査技術-現状と将来展望-. 48. 65-103 (2002)
• [文献書誌] 宮本文穂: "PC橋のヘルスモニタリングとマネジメントシステム"プレストレストコンクリート. Vol.45、No.1. 35-39 (2003)
• [文献書誌] 宮本文穂: "【2002年制定】コンクリート標準示方書[耐震性能照査編]"(社)土木学会. 133 (2002)