研究分担者 |
依田 照彦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70112993)
清宮 理 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50298139)
赤木 寛一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30150965)
アイダン オメール 東海大学, 海洋学部, 教授 (70194636)
堀 宗朗 東京大学, 地震研究所, 教授 (00219205)
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研究概要 |
既往地震における地表地震断層の出現事例の分析,重力場および遠心載荷場での正断層と逆断層を模擬した模型実験から,砂層堆積中の断層破壊の伝播特性を明らかにした.時に実験結果から逆断層では,地表面破壊の到達位置は拘束圧が低い場合は層厚の影響を強く受けるが,拘束圧が実地盤に近く,高い場合は層厚の影響がほとんど見られないことが示された.また正断層の場合は地表面にグラーヘンが発生するが層厚および断層面の角度にほとんど関係なく一定位置に発生することが示された.これらの結果は地表地震断層の出現位置と地表面変状量の予測に有用な知見と情報を与えるものと考えられる。また,地盤の非線型特性を考慮した有限要素法による数値解析により,実験結果をシミュレーション可能であり,このことから実地盤での変状位置と変状量の予測手法の開発の道が拓かれたと考えられる. また,地中埋設管路に対する断層変位の影響を遠心載荷場での実験および数値解析により明らかにし,地震断層による埋設管路の耐震設計用モデルを構築した.逆断層の場合,地盤のばね定数の推定に関しては,従来から米国土木学会(ASCE)により提案されている地盤ばね定数の設定方法では実験結果を十分に説明することが出来ないことを示し,新たなばね定数の算定方法を提案した.これらのモデルはガス,水道等のライフライン埋設管路の設計に用いられることが可能である. 本研究より,地表地震断層の出現位置と地表変状量の特性が明らかにされた.本研究を今後発展させることにより,地表地震断層に対する社会基盤施設の地震防災性向上が図れると考えられる.
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