| 研究分担者 |
上谷 宏二 京都大学, 工学研究科, 教授 (40026349)
吹田 啓一郎 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70206374)
中島 正愛 京都大学, 防災研究所, 教授 (00207771)
小川 厚治 熊本大学, 工学部, 教授 (80112390)
立山 英二 近畿大学, 理工学部, 教授 (80088426)
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| 研究概要 |
施工時の品質を安定・向上させ,高度の耐震性能を保有する鋼構造建築物を実現するため,高力ボルト接合を基本とする構造システムを提案し,接合部から2層実大骨組までの性能確認実験を行うとともに,地震応答解析などによって要求性能を明らかにした.得られた結果を要約すると以下のとおりである.
(1)接合材とエネルギー吸収材の両機能を兼ねる方杖ダンパーの構成と座屈拘束設計法を確立し,実大実験用接合部を設計・製作してその性能を実験的に確認した.
(2)上記の接合材を用いた柱梁高力ボルト接合接合部の実大載荷実験を行い,接合材の弾性剛性,使用限界,終局限界などの力学性能に関わる諸元値を実験的に検証した.
(3)方杖ダンパーが接合される梁の横座屈補剛の方法を提示してその有効性を理論的・実験的に確認し,横座屈補剛設計の具体的方法を確立した.
(4)方杖ダンパーによる接合構造システムの解析に必要な剛性や耐力の厳密な解析・評価方法を提示し,さらに実際の設計・解析に適用できる簡便な力学モデルを考案した.また,この簡便力学モデルが十分な精度で厳密解を近似できることを確認した.
(5)上記の力学モデルによって従来のラーメン構造と構造性能やコストを比較するための本接合構造の例題骨組を試設計し,本研究で提案する構造システムが従来の構造に比べて非常に高い耐震性能を有すること,またコスト的にも十分対応できる可能性を有していることを明らかにした.
(6)3層1×2スパン実大骨組を試設計し,施工実験を行って所要の構造品質が単純な作業と監理のもとで容易に発現されることを確認するとともに,45度方向を含む繰返し水平載荷実験を行い,0.1radを超える大変形域まで安定した復元力特性を保有することを確認した.
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