研究課題/領域番号 |
13305042
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研究機関 | 宮城学院女子大学 |
研究代表者 |
後藤 久太郎 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (50086104)
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研究分担者 |
斎藤 英俊 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (30271589)
吉田 純一 福井工業大学, 工学部, 教授 (40108212)
伊東 龍一 熊本大学, 工学部, 助教授 (80193530)
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キーワード | 近世指図 / 指図の作図技法 / 指図の表現技法 / 指図台紙の分光分析 / 色紙の分光分析 / 料紙繊維の拡大撮影 |
研究概要 |
本年度は、昨年度、指図の第一次調査を行った日御碕神社、および同じくすでに指図の書誌データ等を採取済の宇和島伊達事務所を再訪し、所蔵指図について、昨年度にほぼ完成をみた調査技法(ポータブル100・10倍拡大デジタルカメラによる紙質撮影法と、昨年度作製した「増補紙見本帳」及び「その拡大写真帳」と、本研究開始当初に導入したポータブル分光計(Minolta CM-2600d)による2次元反射分光データ分析法)を用いて、紙質拡大写真撮影と分光分析を行い、昨年度までに蓄積された目視的書誌学データを補強した。 また、並行して行っていた、島原本光寺所蔵指図の修補作業(「島原市本光寺所蔵建築指図の復原的研究」基盤研究(B)(1)課題番号13450253 研究代表者 伊東龍一)を通じて得られた知見、及び既に発表済みの宮内庁書陵部蔵の江戸幕府京大工頭中井家作製の御所関係指図の研究結果(『中井家文書の研究 内匠寮本図面扁一〜十』平井聖編 中央公論美術出版 1976-1985)等)を基準指標としつつ、中井家(京及び5畿内6ヶ国担当)とそれ以外の大工家を含めた近世指図の作図技法・描法に関する、作製年次の明らかでない指図の年代推定を可能にしうるような年代推定スケール、すなわち従来の目視による書誌学的な方法に、分光計・拡大撮影カメラによる非破壊的紙質分析法を加えた精度の高い新たなスケールの作成と、近世指図のデータベースの構築に向けて、これまでの調査結果の分析・検討を進めた。
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