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2002 年度 実績報告書

高速加熱過程における規則相の相安定性

研究課題

研究課題/領域番号 13305043
研究機関北海道大学

研究代表者

毛利 哲夫  北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20182157)

研究分担者 三浦 誠司  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50199949)
キーワードクラスター変分法 / Phase Field法 / 高速加熱 / 急令 / wetting / 規則ドメイン / 規則全不規則変態 / 成長・合体過程
研究概要

高温状態から急冷することで準安定な高温相を実現することができる.これは古くから相変態の研究の常套手段として用いられている手法である.これに対して、本研究では低温から高速加熱することで、高温状態において低温相を準安定相として実現し、その相安定性や相変態挙動に関して知見を得ることを目的とした.
特に、今年度は理論研究に重点を置き、規則相の相安定性に関して、原子レベル及び内部組織レベルの双方から計算を試みた.
用いた理論計算手法はクラスター変分法、Phase Field法、および両者の混成手法である.規則相の相安定性に対しては、これまでは均一系の自由エネルギーを用いた議論が行われてきたが、本研究では、規則ドメインに関わるkineticsに関して詳細な議論を展開した.特に、(1)単一ドメイン内部における原子レベルの規則化過程、(2)ドメインにおけるwettingのkinetics、そして(3)ドメインの成長・合体過程が主たる内容である.
fcc-L10相を対象に、これらの3つの過程に対して、急冷時、高速加熱時の時定数を算出した.時定数は(1)->(2)->(3)の順序で長くなっていく.そして、全体のkineticsは、(1)〜(3)に対する指数関数型の方程式の線形和でほぼ近似できる.但し、(3)の合体過程のkineticsを指数関数で表現することには困難が伴なう.
スピノーダル型の変態過程と核発生・成長型の過程の相違点について詳細を調べたが、前者では長距離規則度が空間に対して一様に増大(急冷)もしくは減少(高速加熱)するのに対して、後者では長距離規則度が大きく異なるシャープな領域が発生した後に、この領域が空間的に伝播することで規則化が進行することを確認した.さらに、内部組織の時間発展過程と原子配列の時間変化を可視化した.
又、これらの理論計算に加えて、Cu-Au系とNi-Mo系を対象にして予備実験を開始した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Uzawa, T.Mohri: "Continuous Displacement Cluster Variaton Method in Fourier Sapce"Materials Trans.. 43. 2185-2188 (2002)

  • [文献書誌] M.Ohno, T.Mohri: "Theoretical Investigation of Coasening Process of L10-Ordered Domain Based on Phase Filed Method, Cluster Variation method"Materials Trans.. 43. 2089-2192 (2002)

  • [文献書誌] M.Ohno, T.Mohri: "Relaxation kinetics of the long-range order parameter in a non-uniform system studied by the phase field method using the free energy obtained by the cluster variation method"Philosophical Magazine. 83. 315-328 (2003)

  • [文献書誌] 毛利哲雄: "材料システム学"朝倉書店. 141 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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