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2002 年度 実績報告書

薄膜および極微細素子におけるペロブスカイト関連酸化物の欠陥平衡

研究課題

研究課題/領域番号 13305046
研究機関東北大学

研究代表者

水崎 純一郎  東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90092345)

研究分担者 二唐 裕  東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (90006148)
川田 達也  東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (10271983)
八代 圭司  東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (20323107)
キーワード酸素不定比性 / ペロブスカイト / 薄膜 / 微粒子 / インピーダンス / 界面容量 / LaCoO3 / 第一原理計算
研究概要

本研究は,ペロブスカイト関連酸化物の酸素不定比量に関して,形態効果,サイズ効果の現れる原因を特定し,これらを取り入れた欠陥平衡論を構築することを目的とする.昨年度までに,固体酸化物イオン導電体基板上に製膜した混合導電性薄膜の評価法を確立し,モデル物質としての(La,Sr)CoO_3膜の酸素不定比量の組成/粒子径依存性を明らかにした。本年度は,薄摸の酸素不定比量への基板の影響,ナノ粒子焼結体でのサイズ効果計測法の確立,量子化学計算による薄膜化効果評価法探求の準備等を目指して研究を進め次のような進展と成果を得た.
(1)レーザーアブレーション装置の高機能化
多様な酸化物薄膜を様々な条件下で任意に成膜することを可能にするため,出力300ミリジュール程度の高出力エキシマレーザーを他研究室から移管し,本格的な装置を再構築した。単結晶安定化ジルコニア表面に50nm程度の酸化セリウムと700nm程度のモデル物質である(La,Sr)CoO3薄膜を重ねてエピタキシャル成長させることなどに成功した.このエピタキシャル成長した酸化物の酸素不定比量は昨年度計測した多結晶酸化セリウム上の膜と同様に単独結晶より小さな値をとることを明らかにした.
(2)ナノ粒子焼結体の作製と酸素不定非性の測定
ナノ粒子の物性や酸素不定性を測定するためには微細な結晶粒を維持したまま緻密な成型体にする必要がある.模擬物質として既に先行研究者がいる酸化セリウムを用い,800℃程度での低温焼結とスパークプラズマ焼結とを試みた.その結果,何れでも数十ナノメートルの粒径を維持した微粒子成型体を得ることに成功した.
(3)第一原理計算によるナノ結晶中の酸素の安定性
密度汎関数法CASTEPによる第一原理量子力学計算ソフトウェアーを導入し,酸素欠損量や酸素欠損の存在位置と酸素の安定性との関連を計算予測するための準備計算を開始した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Kawada et al.: "Determination of Oxygen Vacancy Concentration in a Thin File of La0.6Sr0.4CoO3.d by an Electrochemical Method"J. Electrochem. Soc.. 149(7). E252-E259 (2002)

  • [文献書誌] 水崎純一郎 他: "固体電解質系ガス極反応の電気化学インピーダンス解析"材料の科学と工学. 39(2). 63-68 (2002)

  • [文献書誌] Shogo Miyoshi et al.: "Lattice creation and annihilation of LaMnO3+d caused by nonstoichiometry change"Solid State Ionics. 154-155. 257-263 (2002)

  • [文献書誌] Shigenori Onuma: "Phase Stability of La1-xCaxCrO3-d in Oxidizing Atmosphere"J. Solid State Chem.. 170(1). 68-74 (2003)

  • [文献書誌] 水崎純一郎: "材料開発における結晶格子欠陥とその応用(第7章 格子欠陥と表面・界面)監修・編 山村博,岩原弘育 ISBN 4-901493-17-5 C3058"アイビーシー(東京). 557(24) (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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