研究課題/領域番号 |
13305053
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三宅 正司 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (40029286)
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研究分担者 |
節原 裕一 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80236108)
津村 卓也 大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (00283812)
巻野 勇喜雄 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (20089890)
庄司 多津男 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50115581)
熊谷 正夫 神奈川県産業技術総合研究所, 技術支援部, 研究員
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キーワード | ナノコンポジット / 超硬質薄膜 / 窒化物薄膜 / スパッタリング / イオンビーム |
研究概要 |
平成13年度はナノコンポジット薄膜合成装置の開発に重点をおき、予定通りの成果をあげた。平成14年度はこの成果をもとに、精力的にナノコンポジット薄膜合成の研究を遂行した。その結果以下のような成果が得られている。 1)TiN/Cu薄膜合成においては、膜に対してイオンや電子照射を行ったときの膜硬度やモルフォロジーにおよぼす影響を調べた。そして少量のイオン照射は、微細なTiNとCu結晶の複合した膜構造となって、それが硬度を増大させていることが明らかになった。一方十分な量の電子照射は表面での原子のマイグレーションを促進し、高密度の膜を形成して硬くなることが推論された。 2)TiN/Si薄膜合成においても同様の実験を行い、高硬度をもたらすのは基本的に小さなTiN結晶がSi_3N_4非晶体の中に存在することによるものと推論できた。現在これについてさらに詳細に研究中である。 3)さらに上述のスパッタリング法に対して、基板近傍に高密度のICPプラズマを重畳させる実験を行い、膜特性への影響を調べている。このICPプラズマにより、膜の組成や構造の制御がさらに向上することが期待される。今年度はこれをさらに詳細に明らかにしていく予定である。 4)このようにナノコンポジット薄膜の硬度を高める機構には、種々の原因があげられることが明らかになりつつあるので、今年度で総合的な結論を得る予定である。成果の一環としては学術論文を1編発表した。
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