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2003 年度 実績報告書

多成分系管内固気二相流におけるトリボチャージの多重分布の測定と解析

研究課題

研究課題/領域番号 13305054
研究機関京都大学

研究代表者

増田 弘昭  京都大学, 工学研究科, 教授 (90026310)

研究分担者 丸山 博之  京都大学, 工学研究科, 助手 (90303867)
田之上 健一郎  山口大学, 機械工学科, 講師 (70293892)
松坂 修二  京都大学, 工学研究科, 助教授 (10219420)
キーワード管内固気二相流 / 摩擦帯電 / トリボチャージ / 帯電量分布 / 平衡帯電 / 接触電位差
研究概要

管内固気二相流における粒子の摩擦帯電(トリボチャージ)について実験的および理論的に検討した。異なる金属管(ステンレス鋼,真鍮,銅,アルミニウム)を用いて,数ミクロンの粒子を搬送し,それぞれの管に対する粒子の帯電特性を解析した.粒子の摩擦帯電の駆動力は,接触する二つの物質の仕事関数の差(この値を電気素量で割った値が接触電位差)に起因しており,管の材質を変えることによって,粒子を正にも負にも帯電させることができる.粒子の帯電量は管の長さとともに大きくなり,帯電量の変化は指数関数で表せることが分かった.帯電のメカニズムとして,接触電位差と静電容量を考慮し,粒子と壁の接触回数を乗ずることによって定式化できる.この式において粒子の帯電を特徴づけるのは,帯電特性定数と最大(平衡)帯電量である.帯電特性定数は,粒子が壁との衝突によって帯電していくときの程度を表したものである.最大表面電荷密度(最大帯電量を粒子の表面積で割った値)を実測すると,その値に広い分布が見られた.この分布は,接触電位差と接触表面間距離の比の値に対応しており,粒子表面の化学組成の不均一性と粒子と壁の表面粗さを含めた衝突時の動的接触間距離の分布に依存する.帯電量の分布は粉体種によって異なるが,異種の管を組み合わせると帯電量の分布の幅を制御(小さく)できる.これは,異なる管が粒子の帯電を交互に抑制するためであり,異種の管の結合間隔を短くするほど分布の幅は狭くなる.また,二つの管の長さの比を変えることによって粒子の平均帯電量を任意に決めることも可能である.このことは,理論的に説明でき,実験によって確証された.粒子の帯電精度をさらに高めるには,これらの知見を活かした異種混合管の開発が望まれる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] A.Ema, D.Yasuda, K.Tanoue, H.Masuda: "Tribo-charge and rebound characteristics of particles impact on inclined or rotating metal target"Powder Technology. 135-136. 2-13 (2003)

  • [文献書誌] S.Matsusaka, M.Oki, H.Masuda: "Bipolar charge distribution of a mixture of particles with different electrostatic characteristics in gas-solids pipe flow"Powder Technology. 135-136. 150-155 (2003)

  • [文献書誌] K.Tanoue, Y.Inoue, H.Masuda: "Numerical simulation of electrostatic particle deposition on a target in aerosol flow with and without effect of deposited charged particles"Aerosol Science and Technology. 37. 1-14 (2003)

  • [文献書誌] S.Matsusaka, M.Oki, H.Masuda: "Bipolar charge distribution of particles in gas-solids pipe flow"Journal of Aerosol Science. 32. s997-s998 (2003)

  • [文献書誌] 増田弘昭, 安田大介, 江間秋彦, 水谷英章, 田之上健一郎: "粉体粒子のトリボ帯電の時間変化におよぼす酸化皮膜および吸着水分の影響"粉体工学会誌. 40. 4-11 (2003)

  • [文献書誌] 田之上健一郎, 山本雅人, 江間秋彦, 増田弘昭: "静電粒子沈着の非定常挙動"化学工学論文集. 28. 196-201 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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