研究課題
基盤研究(A)
ガラス中の欠陥構造の光活性を電子構造振動構造からアプローチすることを目的として研究を行った。具体的には、シリカあるいはGe含有シリカガラス中のGe関連欠陥の光活性の解明および光誘起屈折率変化の高効率化、光活性な有機官能基を有する有機修飾シロキサン材料の光加工、希土類イオン・有機色素の非輻射緩和による熱を利用したガラスの光加工を行った。1.シリカあるいはGe含有シリカガラス中のGe関連欠陥の光活性の解明および光誘起屈折率変化の高効率化活性な構造欠陥はGe^<2+>種に由来すること、その光活性は欠陥近傍の構造変化の活性化エネルギーに大きく依存することを見いだした。Ge局所構造を積極的に制御したガラス薄膜資料を作製し、大きなフォトリフラクティブ効果を有するガラス薄膜を開発した。紫外光レーザによる光誘起屈折率変化は最大で10^<-3>以上であり、レーザ描画を用いた光導波回路の直接書き込みによるグレーティング素子を作製した。2.光活性な有機官能基を有する有機修飾シロキサン材料の光加工不飽和結合の光重合を用いることにより、シロキサン骨格を有するハイブリッド薄膜の光加工を行った。合成条件を適当に制御することにより、シロキサン主鎖の重合度と有機ポリマー部の重合度を独立に制御可能であり、光物性(熱光学効果、非線形光学効果)を広い範囲で調整可能であることを明らかにした。3.希土類イオン・有機色素の非輻射緩和による熱を利用したガラスの光加工低温溶融性のハイブリッド材料をホストとして用い、希土類イオンや有機色素などの吸収源を導入することにより低エネルギーのレーザ入射による光熱加工を行った。通常数百mW以上の入射パワーが必要であるが低温溶融性のホストを用いることにより数mWの光源を用いても加工が可能であった。以上の成果はガラス材料の光物性(屈折率、非線形光学特性)を光との相互作用を利用して積極的に制御しようという物である。光加工は空間選択性が高くサブミクロン領域での加工に適している。本研究では光情報処理の実現に向けて重要な材料群の構築を行ったと言える。
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