研究分担者 |
及川 英秋 北海道大学, 農学部, 助教授 (00185175)
加藤 修雄 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (50150537)
星野 力 新潟大学, 農学部, 教授 (30165542)
豊増 知伸 山形大学, 農学部, 助教授 (60272085)
大利 徹 富山県立大学, 生物工学研究センター, 助教授 (70264679)
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研究概要 |
1.エリナシン及びオフィオボリンの生合成中間体の解明 エリナシンを生産するヤマブシタケの人工培養菌体から,生合成中間体炭化水素候補化合物の検索を行い,(-)-サイアタ-3,12-ジエンを単離し,その構造をエリナシンPからの半合成により決定した。 2.エリナシンの予想中間体サイアタジエン及び標識GGDPの合成 5-6-7員環性サイアタン型ジテルペン骨格の合成研究を展開し,そのA,B環の立体選択的構築を行い,さらに分子間エン反応によるC環形成のための官能化側鎖の導入に成功した。 3.担子菌のサイアタジエン合成酵素遺伝子のクローニング ヤマブシタケ菌体より調製したセルフリー系で,GGDPから生合成中間体と考えられる炭化水素への変換を確認した。この環化酵素遺伝子を生合成遺伝子クラスター上からのクローニングを目指し,そのプローブとなるGGDP合成酵素遺伝子の単離を縮重プライマーを用いたRT-PCRにより試みている。 4.放線菌のジテルペン環化酵素の反応機構の解明 テルペンテシンの骨格を形成する本酵素は,2つの酵素(Cyc1とCyc2)からなり,Cyc1がGGDPを環状化2リン酸中間体へと変換し,次いでCyc2がテルペンテトリエンへと変換することを明らかにした。 5.糸状菌のジテルペン環化酵素の反応機構の解明 アフィジコリン生合成における複雑な環化機構を検討するため,生合成中間体と環化生成物の種々のルイス酸処理を行い,多数の生成物の構造を決定した。この非酵素的反応の生成物は生産菌の菌体炭化水素成分とよく対応し,生成物の熱力学的性質等からも環化機構を推定しうる結果を得た。 6.細菌のスクアレン環化酵素の部位特異的変異による機能解析 スクアレン-ホペン環化酵素について,Tyr495,Tyr612及びTyr609をAlaへ変換し速度論解析を行い,これらチロシン残基がD377やF365の機能(カチオン中間体の安定化)の補助を担うことを示した。また,これを大きなバルクサイズへ置換し,非天然型トリテルペンの創製に成功した。
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