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2001 年度 実績報告書

樹木培養細胞によるヒノキチオールの生成機構

研究課題

研究課題/領域番号 13306013
研究機関九州大学

研究代表者

坂井 克己  九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30015656)

研究分担者 ZHAO Jian  九州大学, 大学院・農学研究院, 日本学術振興会 外国人特別研究員
藤田 弘毅  九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (90264100)
キーワードCupressus lusitanica / 培養細胞 / 細胞選抜 / ヒノキチオール / 生合成中間体 / 物質生産 / β-thujaplicin / elicitor
研究概要

(1)細胞選抜:ヒノキチオール高生産性細胞株の選抜を目指して、先ずCupressus lusitanicaの培養細胞よりプロトプラストを調製する条件を検討した。継代後1週間培養した細胞を、Cellulase Onozuka R-10(1%)、Macerozyme R-10(0.5%)、クエン酸カリウム、デキストラン硫酸カリウムの溶液(pH5.6)で処理して得られたプロトプラストの生存率は98%であった。これを、0.6Mマンニトールを含むB5培地(pH5.5)で培養すると、細胞壁の再生は認められたが細胞分裂・増殖は観察されなかった。そこで、プロトプラストを経ずに小細胞塊に分離後培養して細胞選抜を試みつつある。
(2)エリシター源の探索:特に優れたエリシター効果を示す真菌培養液は見出されなかったが、アルギン酸、キチン及びジャスモン酸メチルはCupressus lusitanica細胞によるヒノキチオール生産を促進することが認められた。次年度以降ジャスモン酸の作用様式を含め、シグナル伝達について精査する。
(3)生合成中間体の投与:リンゴ酸、ピルビン酸、フマール酸、コハク酸、酢酸等の有機酸投与がCupressus lusitanica細胞によるヒノキチオール生産を促進したことから、ヒノキチオール生合成と酢酸・ピルビン酸代謝あるいはTCAサイクルとの間に関係があると不唆された。モノテルペン類の投与は多くの場合ヒノキチオール生産に阻害的に作用したが、2-カレンと酢酸テルピニルの投与は促進作用を示した。これら2種のモノテルペン(誘導体)はヒノキチオール生合成に関与している可能性が推測されるため、次年度以降に一般モノテルペンの生合成との関連を検討する。
(4)初期細胞密度、培地交換などと生産量との関係から、ヒノキチオール生産は生成物フィードバック制御されていると推測した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] J.Zhao, K.Fujita, J.Yamada, K.Sakai: "Improved β-thujaplicin production in Cupressus lusitanica suspension cultures by fungal elicitor and methyl jasmonate"Appl.Microbiol.Biotechnol.. 55. 301-305 (2001)

  • [文献書誌] J.Zhao, K.Fujita, K Sakai: "Production of β-thujaplicin in Cupressus lusitanica suspension cultures as fed with organic acid and monoterpenes"Biosci.Biochem.Biotechnol.. 65. 1027-1032 (2001)

  • [文献書誌] J.Yamada, K.Fujita, K.Sakai, J.Zhaoa, K.Sakai: "Molecular Breeding of Woody Plants"Elsevier Science B.V(分担). 263-272 273-277 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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