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2003 年度 実績報告書

樹木培養細胞によるヒノキチオールの生成機構

研究課題

研究課題/領域番号 13306013
研究機関九州大学

研究代表者

坂井 克己  九州大学, 農学研究院, 教授 (30015656)

研究分担者 金城 一彦  琉球大学, 農学部, 助教授 (10167380)
藤田 弘毅  九州大学, 農学研究院, 助手 (90264100)
キーワードCupressus Iusitanica / 培養細胞 / ヒノキチオール / テルピノレン / β-thujaplicin / テルペンシンターゼ / elicitor / mRNA
研究概要

ヒノキチオールはトロポロンの一種で幅広い抗菌性を示すため、多くのヒノキ科樹木心材の耐久性に大きく寄与している。ここではC.lusitanica培養細胞にるヒノキチオールの生成機構を明らかにしようと試みた。
前年度に、当該細胞中の主なモノテルペン合成酵素はテルピノレンシンターゼであることが示されたので、既知のテルペンシンターゼのcDNA配列を参考にホモロジーを利用したテルピノレンシンターゼのクローニングを試みた。データベース上の植物モノテルペンシンターゼのアミノ酸配列から設計したdegenerateプライマーを調製し、RT-PCRを行って予想塩基数に近い断片を得た。この断片の塩基配列は既知モノテルペンシンターゼと相同性が高いことを確認したので、これをプローブとして用いてエリシテーション1日目のmRNAから作成したcDNAライブラリーをスクリーニングした。その結果、現在までに全長配列を含む3種のクローンが得られた。このクローンがテルピノレンシンターゼをコードしている可能性が高い。
また、このテルピノレンシンターゼの酵素活性はエリシターの刺激によって初めて現れることがわかった。そこで、エリシターによって誘導されるmRNAがヒノキチオール生産関連遺伝子であろうと予想し、マクロアレイ法による発現遺伝子の検索を行った。エリシテーション1日目のcDNAライブラリーから調製した各クローンをメンブランに配列して結合させてテンプレートとし、これに対してエリシテーション前後の細胞のmRNAから放射性dNTPを用いて合成したcDNAをプローブとして、発現に増減の見られるクローンを検索した結果、ニリシテーションにより増加する48のクローンが見つかった。
これらクローンのDNA配列を既知データベースと比較したところ、エリシテーション関連シグナリング経路と思われるいわゆるpathogen-related protein類のタンパクとともにヒノキチオール代謝関連酵素の可能性のあるクローンが発見された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] J Yamada, K Fujita, K Sakai: "Cell growth and nutrient uptake by cell suspensions of Cupressus lusitanica"Journal of Wood Science. 49(1). 5-10 (2003)

  • [文献書誌] J Yamada, K Fujita, K Sakai: "Effect of major inorganic nutrients on β-thujaplicin production in a suspension culture of Cupressus lusitanica cells"Journal of Wood Science. 49(2). 172-173 (2003)

  • [文献書誌] J Zhao, Kokki Sakai: "Peroxidases are involved in biosynthesis and biodegradation of b-thujaplicin in fungal elicitor-treated Cupressus lusitanica cell cultures"New Phytologist. 159(3). 719-731 (2003)

  • [文献書誌] Y Matsunaga, K Fujita, J Yamada, T Ashitani, K Sakai: "Monoterpenes produced by Cupressus lusitanica cultured cells including a novel monoterpene (1S,2S,6S)-(+)-1,6-epoxy-4(8)-p-menthen-2-ol"Natural Product Research. 17(6). 441-443 (2003)

  • [文献書誌] J Zhao, Y Guo, K Fujita, K Sakai: "Involvement of cAMP signaling in elicitor-induced phytoalexin accumulation in Cupressus lusitanica cell cultures"New Phytologist. 161. 723-733 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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