研究課題/領域番号 |
13306020
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大政 謙次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70109908)
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研究分担者 |
橋本 康 愛媛大学, 農学部, 教授 (30036298)
清水 庸 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00323486)
沖 一雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (50292628)
名取 俊樹 国立環境研究所, 生態系機構研究室, 主任研究員 (10132854)
本條 毅 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (60173655)
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キーワード | ライダー / 樹木 / 作物 / 胸高直径 / バイオマス / ガス交換機能 / 森林計測 / 熱赤外画像 |
研究概要 |
今年度は、レーザーレーダー式3Dスキャナーとハイパースペクトルイメージングシステムを組み合わせて、可視〜近赤外の3次元画像情報が得られる可搬型イメージライダーを開発した。そして、このシステムを用いて、手前の小枝や広葉樹、あるいは林床植物などで遮られ、見通しが余りきかない自然状態で生育している樹林内部の3次元計測を行い、個々の樹木位置のマッピングや胸高直径、バイオマスなどの推定法について検討した。その結果、胸高直径が計測できなくても、樹木の高さ方向における幹径の変化係数を前もって求めておけば、計測可能な任意の高さの樹幹直径から、RMSE=7.3mmの精度で胸高直径が推定できた。そして、自然の状態の樹林において、一カ所からの計測により、10m以内で総本数の64%、15m以内で52%、20m以内で39%、30m以内で25%の樹木のマッピングと胸高直径を求めることができた。また、胸高直径と地上部のバイオマスとの関係を二次回帰式(R^2=0.96)で近似し、計測(推定)された胸高直径から個々の樹木のバイオマス(生重量、乾物重量、炭素重量)を推定することができた。さらに、20%(RMSE=0.65kgCm^<-2>)程度の誤差で、単位面積あたりのバイオマスを推定できた。なお、対象とした樹木において、生重量は乾物重量の約1.7倍、炭素重量は乾物重量の約0.46倍であった。ここで開発した手法は、自然状態の樹木において、林床を攪乱することなく、踏査では困難な樹木の正確な位置のマッピングや胸高直径、バイオマス(炭素蓄積量)などの樹木パラメータを精度よく推定できるという点で優れている。 一方、樹木と大気とのガス交換機能の解析とサーモグラフィによる樹木のガス交換機能の診断法についても検討した。また、樹木や作物の3次元リモートセンシングの基礎データを得る目的で、植物の環境ストレス応答についての研究も併せて行った。
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