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2003 年度 実績報告書

遺伝子組換え好熱細菌を利用した家畜排泄物からのエタノール生産システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 13306021
研究機関京都府立大学

研究代表者

小島 洋一  京都府立大学, 農学研究科, 教授 (80046490)

研究分担者 宮崎 孔志  京都府立大学, 農学研究科, 講師 (60254322)
牛田 一成  京都府立大学, 農学研究科, 助教授 (50183017)
キーワード家畜排泄物 / エタノール / 好熱細菌 / 排泄物処理 / セルロース / 悪臭 / オカラ / スリラー
研究概要

遺伝子工学的手法により様々な角度から好熱性細菌の分子育種に取り組んだが、有効な組み換え体を得ることは出来なかった。そこで、環境中から家畜排泄物分解能を持つ好熱性エタノール生成細菌の単離を試みた結果、003株と004株の単離に成功した。両菌株はともにセルロースは分解できなかったが、キシランをはじめとする広い基質利用性を示し、豚糞便から3mM、食品廃棄物であるオカラから8mMのエタノールを生成した。これらの菌株を家畜排泄物処理に用いるには、セルロースを分解できない、酸素を除去する必要がある、嫌気発酵による臭気が発生する、といった問題点があるため、酸素を除去し、臭気を低下させるセルロース分解性の好気性好熱細菌との共培養が有効であると考え、植物性堆肥から上記のような性質を持つ有用な好気性細菌A1株とB3株の2菌株の単離に成功した。特に、好気性菌B3株と嫌気性菌004株との共培養はオカラから約27mMのエタノールを生成した。しかし、豚糞便からはどの組み合わせでも3-4mMのエタノールしか生成されなかった。おそらく、豚糞便に含まれるリグノセルロースの分解によって生じた阻害物質が発酵を抑制したものと考えられた。そこで、豚糞便懸濁液から大きな固形物(主として植物繊維)を4重ガーゼで濾して取り除いたものを基質として用いた結果、好気性菌A1株と嫌気性菌003株との共培養は約24mMのエタノールを生成し、悪臭物質である揮発性硫化物の生成を有意に低下させた。以上より、豚糞便とくにその液状部(スラリー)からエタノールを生成するには、好気性菌A1株と嫌気性菌003株との共培養が有効であったことから、家畜排泄物の処理と同時にエタノールの生産を可能とするシステムを構築できる可能性を示した。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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