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2001 年度 実績報告書

フェロモンを担体とした嗅覚コミュニケーションシステムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 13306022
研究機関東京大学

研究代表者

森 裕司  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40157871)

研究分担者 菊水 健史  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90302596)
武内 ゆかり  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10240730)
キーワードシバヤギ / フェロモン / 4エチルオクタン酸 / 5αリダクターゼ / フェロモン受容体候補遺伝子 / Gi2受容体結合蛋白 / 鋤鼻神経細胞 / 嗅上皮
研究概要

フェロモン分子の単離・精製・同定 4エチルオクタン酸(4EOA)は、雄ヤギ特異臭の1構成成分である。4EOA自体にはフェロモン効果がないことが報告されているが、特殊な形の分枝脂肪酸であることから、その代謝産物がフェロモン活性を有するとの作業仮説を立て、雄ヤギ被毛より4EOA由来と思われる化合物の分離を試みた。超臨界CO2クロマトグラフィーを用いた分取の結果、特定の分画にフェロモン活性が出現することが明らかとなった。更にガスクロマトグラフ質量分析計を用いて分析を行ったところ、4EOA由来と思われる数種の化合物が検出され、現在その化合物の同定を行っている。
フェロモン合成機構 われわれは既にシバヤギ雄性フェロモンがアンドロジェン依存性に頭部皮脂腺において限局的に産生されることを明らかにした。この場所特異的フェロモン産生能がテストステロンからのより生物活性の高いジヒドロテストステロンへの転換を司る酵素である5αリダクターゼの分布の差であるとの仮説をたて、RT-PCR法を用いて雄シバヤギの5αリダクターゼのクローニングおよび各臓器でのmRNAの発現を調べた。その結果、5αリダクターゼtype1が頭部および臀部の皮膚で発現していることが確認された。
フェロモン受容機序 シバヤギにおいてげっ歯類で報告されているフェロモン受容体候補遺伝子(V1RおよびV2Rファミリー)のホモログ遺伝子のクローニングを行い、V1Rファミリーの中にORFを持つ遺伝子2種を見出したが、V2Rファミリーは偽遺伝子のみが確認された。更に、シバヤギ鋤鼻神経上皮について、in situ hybridizationを行ったところ、V1Rのうち1種が鋤鼻神経細胞に特異的に発現しており、細胞内伝達系のGi2受容体結合蛋白と共発現していることが確認された。また、嗅上皮の感覚神経細胞層においても、V1Rの発現細胞が確認された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kikusui T., Takigami.S., Takeuchi Y., Mori Y.: "Alarm pheromone enhances stress-induced hyperthermia in rats"Physiology & Behavior. 72. 45-50 (2001)

  • [文献書誌] Ogata N., Takeuchi Y.: "Clinical trial of a feline pheromone analogue for feline urine marking"Journal of Veterinary Medical science. 63. 157-161 (2001)

  • [文献書誌] Iwata E., Wakabayashi Y., Matsuse S., Kikusui T., Takeuchi Y., Mori Y: "Induction of primer pheromone production by dihydrotestosterone in the male goat"Journal of Veterinary Medical science. 63. 347-348 (2001)

  • [文献書誌] Hagino Yamazaki, K, Matsuoka, M, Ichikawa, M, Wakabayashi, Y, Mori, Y, Yazaki, K: "The mouse putative pheromone receptor was specifically activated by stimulation with male mouse urine"Journal of Biochemistry. 129. 509-512 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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