研究課題
基盤研究(A)
第1班(帯広大、北大、岩手大、東大、農工大、岐阜大、府大):国公立大学獣医学協議会の決議により、帯広大と岐阜大は北大、岩手大と農工大は東大に再編することを目指したが、その後の情勢の変化から、これら地方国立大学4校は、現在、自助努力による獣医学教育改善を模索しており、岐阜大学のように、学内操作で講座増を実現した獣医学科もある。府大は、すでに54名の教員がいるが、増員を目指している。第2班(鳥取大、山大、宮大、鹿大):地方国立大学4校の獣医学科は統合して九州大学獣医学部を作る案を模索していたが、九州大学との交渉を認めたのは山口大学と宮崎大学の農学部だけであり、九州大学がこの2校に正式の委員会設置を求めた時点で、この2校は前向きの返事を出さず、運動は停止してしまった。宮崎大学だけが九州大学に獣医学部を作るという運動を継続しているが、鳥取大学と山口大学は学長レベルでの話し合いを始め、鹿児島大学は自助努力を目指している。第3班(酪農学園大、北里大、日本獣医畜産大、麻布大、日大):これらの私立大学獣医学部・獣医学科は、研究室の再編成、付属動物病院の充実、臨床実習カリキュラムの改訂などを通じて臨床教育を充実させてきている。問題は学生数に比べて少なすぎる教員の増員である。各獣医学部・獣医学科の代表が欧州とオセアニアの獣医学部を視察し、各国の獣医学部がそれぞれ自国の環境に適した独自の獣医学教育を実施しているのを見聞して、獣医学教育の多様性の必要性を学んできた。北米のアクレディテーションもこの多様性を重要視してきている。文部科学省内に「国立大学における獣医学教育に関する協議会」が設置され、今後の獣医学教育改善運動の方向が定まろうとしてきている。以上より、獣医学教育の抜本的改善は、まだ具体化していないが、ほとんどの大学が学長レベルでこの問題を検討しており、文部科学省内にも検討委員会ができたことにより、進行速度は遅いものの、着々進んできているということができる。
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