研究課題/領域番号 |
13306026
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
縄田 栄治 京都大学, 農学研究科, 助教授 (30144348)
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研究分担者 |
桜谷 哲夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (00260612)
間藤 徹 京都大学, 農学研究科, 助教授 (50157393)
河野 泰之 京都大学, 東南アジア研究所, 助教授 (80183804)
舟川 晋也 京都大学, 農学研究科, 助教授 (20244577)
樋口 浩和 京都大学, 農学研究科, 助手 (50303871)
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キーワード | 東南アジア大陸部 / 畑作 / 持続性 / 土地利用 / 農業資源 / 栽培環境 / 気候 / 斜面農業 |
研究概要 |
1.中部タイ・サラブリ県・プラプッタバート郡及びロッブリ県パタナニコム郡に広がる畑作地帯において、営農体系・作付体系の多様性に関する調査を行った。調査した全農地19,500haにおいて、62タイプの作付体系が見られた。Simpsonの多様度指数を用いて作付体系の多様度を算出した所、この地域の作付体系の多様度は高く、中大規模の近代的畑作生産においても、作付体系が均一化する傾向は認められなかった。降水土壌条件により域内を四分し、多様度指数との関係を分析すると、条件のよい地域と悪い地域で多様度は低くなり、中間的な地域で多様度が高くなった。条件の劣悪な地域では、自然条件による制約が厳しく、選択の幅が狭いと考えられる。また、条件の優良な地域では、作付体系の変化を好まず、現状維持の傾向がうかがわれた。 2.東北タイ・コンケン大学実験圃場において、トウモロコシ品種CP-888(シングルクロス)を用い、NPKについて土壌中の可給態量と植物吸収量の比較試験を行い、土壌-植物間の養分収支を解析した。東北タイでは、保水力・地力に乏しい砂質土壌が卓越しているが、コンケン大学実験圃場も例外ではなく、砂質未熟土であるQuartzipsammentsに分類され、養分保持能、供給能とも低く、有機物含量も低かった。実験の結果、トウモロコシの生長に対してN及びPが制限要因となり、Kは制限要因となりにくいこと、土壌中の全N及び交換態Kは均一に分布し、有効態Pは表層に集中していること、土壌中の養分量に対する植物の吸収する養分量の割合が大きいことが明らかとなった。 3.近年、急速に焼畑の常畑化が起こっている北部タイで予備調査を行い、急斜面の畑地で集約的な飼料用トウモロコシ及び採種用トウモロコシの栽培面積が急進していることが明らかとなった。
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