研究課題/領域番号 |
13306026
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物資源科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
縄田 栄治 京都大学, 農学研究科, 助教授 (30144348)
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研究分担者 |
桜谷 哲夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (00260612)
間藤 徹 京都大学, 農学研究科, 助教授 (50157393)
河野 泰之 京都大学, 東南アジア研究所, 助教授 (80183804)
舟川 晋也 京都大学, 農学研究科, 助教授 (20244577)
樋口 浩和 京都大学, 農学研究科, 助手 (50303871)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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キーワード | 東南アジア大陸部 / 畑作 / 持続性 / 土地利用 / 農業資源 / 栽培環境 / 気候 / 斜面農業 |
研究概要 |
20世紀半ば以降、急速に畑地開発の進行した、タイ東北部、タイ中部及びベトナム北西部を対象として、農業資源と農業生産システムの持続性の評価を行った。主な研究成果は、以下の通りである。 1)タイ東北部の長期間の気象データを地図化し、気温・日射量は比較的安定していること、降雨量は年変動が大きく、分布も不安定で、域内較差が大きいこと、降雨量と降雨日数間に相関がなく、降雨量の多寡に関わらず、降雨日数の多い地域が存在ことを明らかにした。また、サトウキビ栽培地域では、生産の制限要因が土壌水分であり、粘土含量の高い土壌で生産力が高い傾向があること、また畑地の傾斜は生産力に大きな影響を与えないことを明らかにした。さらに、タイ東北部に卓越する砂質土壌では、有機物含量が低く、施肥効率が低いことを明らかにした。 2)タイ中部の野菜栽培地域では、ロングチーンと呼ばれる特殊な高畝栽培が行われており、施肥量も多いが、施肥した肥料分の相当量が作物に回収されず、環境に蓄積していること、特にりんでその傾向が強いことを明らかにした。また、畑作地帯では、様々な条件に応じた多様な営農・作付体系が展開していること、作付体系の多様度は条件の中程度の地域で高くなることを明らかにした。さらに、一般に土壌の粘土含量が高く、緩傾斜地に畑地があるため、急速な土壌劣化の可能性が低いことを明らかにした。 3)ベトナム北西部の畑作地帯では、前世紀の終わりごろまで焼畑を行っていた山斜面が急速に常畑化し、トウモロコシ・食用カンナを中心とした商品作物が盛んに栽培されていること、条件に対応した多様な作付体系が成立していること、粘土分の多い肥沃な土壌にもかかわらず、急傾斜面を畑地として利用していることから、今後の土壌劣化が懸念されることを明らかにした。
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