研究課題/領域番号 |
13307001
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
木山 博資 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00192021)
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研究分担者 |
濤川 一彦 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50312468)
瀬尾 寿美子 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70311529)
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キーワード | 神経損傷 / 神経再生 / ディファレンシャルディスプレイ / アデノウイルス / 転写因子 / 糖蛋白 |
研究概要 |
本研究は、以下の3つの柱での研究を展開している。(1)損傷神経の生存や軸索再生にかかる遺伝子のさらなる探索。(2)アデノウイルスによる遺伝子発現系を用いた、再生関連分子の機能解析。(3)得られた分子を生体へ遺伝子導入することで機能回復を図り、将来的な遺伝子治療の可能性を提示する。本年度は(1)においては、Serine Protease inhibitor -3 (SPI-3)、転写因子のATF-3、新規蛋白のaxotomy induced glycoprotein (AIGP)が得られた。それぞれの機能解析を現在行っているが、SPI-3は神経傷害に伴う炎症に応答して発現する内因性のセリンプロテアーゼインヒビターであり、神経系の各種炎症モデルにおいても明らかな応答が見られた。ATF-3はAP-1ファミリーに属する転写因子であるが、極めて神経傷害に特異的にその発現が認められた。AIGPは糖鎖が付加された蛋白を標的にするため、新たにデザインされたディファレンシャルディスプレイ法により得られたもので、ゴルジ装置に局在するゴルジストレス応答分子と考えられる。ゴルジストレスに由来する神経細胞死のカスケードの一端を担う分子と考えられる。以上の分子については、いずれも(2)のアデノウイルスベクターを用いたin vitroの機能解析や、一部ノックアウトマウスの作成、(3)のin vivoの解析に移っている。
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