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2002 年度 実績報告書

新たな膜ドメインとしての脂質滴の機能的意義

研究課題

研究課題/領域番号 13307002
研究機関名古屋大学

研究代表者

藤本 豊士  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50115929)

研究分担者 向後 寛  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20282387)
キーワード脂質滴 / ADRP / 欠失ミュータント
研究概要

中性脂質を含む脂質滴は,脂肪細胞やステロイド産生細胞だけでなく,ほとんどの細胞に存在する.脂質滴は小胞体に存在する2つの酵素(DGATとACAT)の作用で合成される脂質エステルが,小胞体限界膜の脂質2重層の疎水性部分に蓄積して形成されると推測されてきた.しかし,その過程についての明瞭な実験データはない.我々は脂質滴に局在する蛋白質であるAdipose differentiation-related protein(ADRP)を手掛かりとして,脂質滴形成機構について検討を行った.
ADRPの欠失ミュータントを作製し,脂質滴への局在について検索した.ADRP全長(aa 1-462)にGFPを結合させた分子は内在性のADRPと同様に脂質滴に局在した.C末側を段階的に欠失させていくと,aa 1-181までは脂質滴に局在したが,aa 1-155は細胞質に瀰漫性に観察された.一方,N末側の欠失ミュータントでは,aa 167-426はほとんど細胞質のみに認められたが,更に短いaa 277-426,aa 302-426,aa 351-426は脂質滴近傍に局在し,aa 371-426で再び細胞質のみの分布が観察された.上記のうち,ADRP全長,互いに重複する部分のないaa 1-181,aa 277-426のいずれの分子を細胞に導入しても,脂質滴形成が誘導された.
これらの結果は,ADRPの2つの部分に独立した脂質滴への局在化シグナルがあり,しかも脂質滴形成を誘導する機能があることを示唆する.これらの領域の役割を解析することは,脂質滴の形成メカニズムや機能を解明する上で重要であると考えられる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Fukumoto, S., T.Fujimoto: "Deformation of lipid droplets in fixed samples"Histochem.Cell Biol.. 118. 423-428 (2002)

  • [文献書誌] Tauchi-Sato, K., S.Ozeki, T.Houjou, R.Taguchi, T.Fujimoto: "The surface of lipid droplets is a phospholipid monolayer with a unique fatty acid composition"J.Biol.Chem.. 277. 44507-44512 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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