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2003 年度 実績報告書

新たな膜ドメインとしての脂質滴の機能的意義

研究課題

研究課題/領域番号 13307002
研究機関名古屋大学

研究代表者

藤本 豊士  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50115929)

研究分担者 向後 寛  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20282387)
キーワード脂質滴 / ADRP / RNAi / 脂質エステル
研究概要

脂質滴は脂質エステルをコアとし,周囲をコレステロールを含む燐脂質一重層で被われたオルガネラである.肥満症や脂肪肝,さらに粥状硬化症などでの泡沫細胞など,過剰な脂質滴の存在が病態の重要な部分となっている疾患は多くある.これらの疾患の予防,治療の方策として,脂質エステル合成酵素の阻害,分解酵素の過剰発現などが実験的に試みられてきたが,未だ十分な成果を挙げるには至っていない.我々は脂肪細胞などを除く大多数の細胞の脂質滴の構成蛋白質であるADRPに着目し,この蛋白質の発現抑制によって脂質滴増加を阻害できるのではないかと考えた.
ヒト,マウスのADRPcDNAの幾つかの領域に対して21bpの二本鎖RNAを作製してRNAiを行い,SudanIIIなどの中性脂質染色,ウェスタンブロッティングなどにより,脂質滴やADRPに対する効果を判定した.その結果,HepG2のように通常の培養条件で多くの脂質滴を持つ細胞,Balb/c-3T3のように脂肪酸などを負荷してはじめて顕著な脂質滴が見られる細胞の両方の場合とも,脂質滴の減少誘導,あるいは増加抑制を見ることができ,ADRP蛋白質量が対照に比較して減少した.このときトリグリセリド,コレステロールエステルともに減少した.また泡沫細胞のモデルであるJ774.1でも脂質滴増加を阻害できた.
上記の結果はADRPの発現抑制が既存の脂質滴を減少させたり,新規脂質滴の増加を抑制する方法として有用である可能性を示すものである.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Nakamura, N., Fujimoto, T.: "Adipose-differentiation-related protein has two independent domains for targeting to lipid droplets"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 306. 333-338 (2003)

  • [文献書誌] Aoki, T., Kogure, S., Kogo, H., Hayashi, Y., Ohno-Iwashita, Y., Fujimoto, T.: "Sequestration of cross-linked membrane molecules to caveolae in two different pathways"Acta Histochem.Cytochem.. 36. 165-171 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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