研究課題/領域番号 |
13307005
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小浜 一弘 群馬大学, 医学部, 教授 (30101116)
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研究分担者 |
熊谷 啓之 群馬大学, 医学部, 助手 (20321945)
中村 彰男 群馬大学, 医学部, 助手 (30282388)
石川 良樹 群馬大学, 医学部, 講師 (20212863)
宮崎 淳一 筑波大学, 生物学系, 講師 (80229830)
大石 一彦 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (80203701)
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キーワード | 平滑筋 / 収縮制御 / ミオシン / ミオシン軽鎖キナーゼ |
研究概要 |
平滑筋の収縮制御にはどの教科書にもミオシン軽鎖のリン酸化によるミオシンATPaseの活性化が述べられている。ところが、一方では、薬理学の分野を中心に、アゴニストの種類によって、リン酸化の機構を介さずとも平滑筋が収縮しうる事も薬理学の分野ではよく知られていることである。研究代表者らは、リン酸化機序以外の様式を検索してきたが、最近やっとその手がかりが、in vitroながら、得ることができた(Ye et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1999発表)。一般研究はこの知見に基づき申請した。 その内容は、意外にも、ミオシン軽鎖をリン酸化する際の酵素:ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)が関与するもので、MLCKの種々の断片をそのcDNAをデザインして大腸菌に発現させたところ、C末断片のミオシン結合部位(キナーゼ活性部位を含まない)が、非(脱)リン酸化ミオシンを活性化させたのである。このデーターはあくまでもin vitroの成果であるが、in vivoでこれを証明しなくてはならない。ここで、MLCKのcatalytic siteをコードする1.4kbpのcDNAをアンチセンス方向で組込んだアデノウイルスconstructを作成した。これを平滑筋に感染させ、アンチセンスを細胞内で増殖させた。これにより、細胞内のMLCK(short isoform)の発現が阻害された。また、収縮性が低下していた。ただし、ミオシン軽鎖のリン酸化には変化が認められず、C末断片がミオシンを直接活性化する可能性が支持された。
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