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2001 年度 実績報告書

Toll様受容体による自然免疫活性化機構

研究課題

研究課題/領域番号 13307013
研究機関大阪大学

研究代表者

審良 静男  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (50192919)

研究分担者 星野 克明  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (50324843)
竹田 潔  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (20309446)
改正 恒康  大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (60224325)
キーワード自然免疫 / TLR / シグナル伝達 / ノックアウトマウス / MyD88 / 感染症
研究概要

われわれは、MyD88と呼ばれるアダプター分子が、TLRファミリーを介したシグナル伝達に必須の役割を担っていることを、遺伝子欠損マウスの解析からこれまでに明らかにしてきた。MyD88欠損マウス由来のマクロファージは、TLRファミリーが認識する、各病原体構成成分による炎症性サイトカインの誘導が全く認められない。そこで、正常マクロファージではサイトカイン産生を誘導するが、MyD88欠損マウス由来のマクロファージでは誘導しない、免疫賦活物質をスクリーニングした。その中から、イミダゾキノリン(imidazoquinolines)に属するlmiquimodとR-848(Resiquimod)がMyD88欠損マクロファージに対し、サイトカイン産生を誘導できないことを見出した。このことは、イミダゾキノリンがTLRファミリーによって認識されている可能性を示唆した。そこで、われわれはTLR7欠損マウスを作製して、イミダゾキノリンに対する反応性を解析した。TLR7欠損マウスでは、イミダゾキノリン刺激によるマクロファージのサイトカイン産生、脾細胞の増殖、樹状細胞の成熟が認められなかった。また、イミダゾキノリンを静脈内投与しても、正常では認められる血中へのサイトカイン産生も、TLR7欠損マウスでは認められなかった。このことからTLR7はイミダゾキノリンの認識に必須であることが明らかになった。イミダゾキノリンは、現在、新たな抗ウイルス剤として臨床応用されている合成化合物である。従来の抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖を阻害するものが主流であったが、この薬剤は体内からインターフェロンを誘導することによって免疫系を賦活し、抗ウイルス活性を発揮する。今回の結果は、TLRを介した自然免疫系の活性化が、合成化合物でも誘導でき、種々の感染症、癌などの免疫療法に応用できることを直接証明したものである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hemmi, H. et al.: "Small anti-viral compounds activate immune cells via the TLR7-MyD88-dependent signaling pathway"Nature Immunology. 3. 196-200 (2002)

  • [文献書誌] Kawai, T. et al.: "Lipopolysaccharide Stimulates the MyD88-Independent Pathway and Results in Activation of IFN-Regulatory Factor 3 and the Expression of a Subset of Lipopolysaccharide-Inducible Genes"J. Immunol.. 167. 5887-5894 (2001)

  • [文献書誌] Akira, S. et al.: "Toll-like receptors: critical proteins linking innate and acquired immunity"Nature Immunolgy. 2. 675-680 (2001)

  • [文献書誌] Akira, S.: "Toll-like receptors and innate immunity"Adv. Immunol.. 78. 1-56 (2001)

  • [文献書誌] Takeuchi, T. et al.: "Discrimination of bacterial lipoproteins by Toll-1ike receptor 6"Int. Immunol.. 13. 933-940 (2001)

  • [文献書誌] Hayashi, F. et al.: "The innate immune response to bacterial flagellin is mediated by Toll-like receptor 5"Nature. 410. 1099-1103 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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