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2001 年度 実績報告書

肝細胞癌に対する腫瘍免疫学的制御の分子機構解析

研究課題

研究課題/領域番号 13307020
研究機関大阪大学

研究代表者

林 紀夫  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00144478)

研究分担者 石田 永  大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
望月 圭  大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
佐々木 裕  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70235282)
キーワード肝癌 / NK細胞 / MICA / レチノイン酸 / NKG2D
研究概要

ヒト肝癌細胞におけるNK細胞感受性の分子機構について解析した。ヒト肝癌細胞株はHLA class Iを高発現しているにもかかわらず、NK細胞に対して感受性であった。FACSを用いて検討したところ、肝癌細胞はNK細胞の活性化レセプターであるNKG2Dに対するリガンドであるMHC ciass I関連分子MICA/Bを発現していた。肝癌におけるMIClA/Bの発現をモノクロナル抗体を用いてブロックすると、肝癌のNK感受性が消失したことから、MICA/Bが肝癌のNK感受性を規定している主要分子であることが明らかとなった。現在までにMICA/Bの発現を誘導する薬剤については知られていなかったが、我々はレチノイン酸がMICA/Bの発現を誘導することを見出した。レチノイン酸で処理した肝癌細胞はNK細胞のインターフェロンγ産生能を亢進させかつK562に対する細胞障害活性を増強させた。また、レチノイン酸で処理した肝癌細胞は、NK細胞に対してより感受性となり、この現象MICA/Bの発現をモノクロナル抗体を用いマスクすることにより完全に消失したことから、MICA/Bの発現誘導を介していることが示された。以上のことから、肝癌のNK細胞感受性に関しては肝癌で発現しているMICA/Bが重要な役割を持っており、この発現レベルをレチノイン酸のような薬剤で制御することにより、新しい先天免疫を介した肝癌の治療法が開発できる可能性が示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Katayama K, et al.: "Immunological response to interferon-, γpriming prior relation to viral clearame"J Viral Hep. 8. 180-185 (2001)

  • [文献書誌] Kitada T, et al.: "The addition of bisecting N-acetylglucosamine residues to E-cadherin down-regulaes the tyrosine phospuprylation of β-catenin"J Biol Chem. 276. 475-480 (2001)

  • [文献書誌] Ito A, et al.: "Generation of hepatitis C virus-specific cytotoxic T lymphocytes from heslthy individuals with peptide-pulsed dendritic cells"J Gastrol Hepatpl. 16. 309-316 (2001)

  • [文献書誌] Haruna Y, et al.: "Detection of hepatitis C virus in the bile and bile duct epithelial cells of hepatitis C virus-infected patiens"Hepatology. 33. 977-980 (2001)

  • [文献書誌] Ohkawa K, et al.: "Siqnificance of serum soluble Fas antiqen level in chronic hepatitis C patients treated with interferon: Relationship to the therapeutic response"J Gastrol Hepatol. 16. 1009-1014 (2001)

  • [文献書誌] Tatsumi T, et al.: "Administration of interleukin 12 enhances the therapeutic efficacy of dendritic cell-based tumor vaccines in mouse hepatosellular carcinoma"Cancer Res. 61. 7563-7567 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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