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2001 年度 実績報告書

キメラRDA/DNAを用いたDuchenne型筋ジストロフィーの治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13307026
研究機関神戸大学

研究代表者

松尾 雅文  神戸大学, 医学部, 教授 (10157266)

研究分担者 竹島 泰弘  神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (40281141)
キーワードキメラRNA / DNA / ジストロフィン / 治療 / 点突然変異 / Duchenne型
研究概要

キメラRNA/DNAの相同組み換え反応を利用してジストロフィン遺伝子の異常を修復しようとするものである。現在のところ遺伝子修復効率は低く、高感度に遺伝子修復を検出できる系の確立に着手した。ここでは、GFPという緑色の蛍光を発するタンパクの発現量から遺伝子が修正されたことを肉眼的に検証できる系を確立しようとした。まず、正常配列からなるジストロフィンcDNAの一部の配列をGFP発現ベクターの上流に組み込んだ人工遺伝子を作製する。そして、これを細胞に導入してジストロフィンとGFPとが融合したタンパクを発現させ、発する蛍光を蛍光顕微鏡で観察した。その結果、このGFP発現システムが有効に機能することが判明した。
そこで、GFP配列の上流に私たちが発見している患者の異常なジストロフィンcDNA塩基配列を組み込んだ発現ベクターを作製した。このベクターを細胞に導入し、GFPとの融合タンパクを発現させた。この条件では、ジストロフィンcDNAに変異があり、アミノ酸読み取り枠にずれがあるためGFPとの融合タンパクは産生されず、蛍光は観察されなかった。
そこで、この遺伝子の異常を修復するため患者で発見された遺伝子異常部位に相当する正常のジストロフィン遺伝子配列などからなるキメラRNA/DNAを合成した。この合成したキメラRNA/DNAとGFP発現人工遺伝子とをキャリアー物質とともに混じて培養細胞にコトランスフェクションした。そして、正常の配列と置き換った人工遺伝子からはジストロフィンとGFPの融合タンパクが産生される事を確認した。しかし、GFP陽性細胞数はまだ少なく、遺伝子修復効率が未だ低いことが示唆され、現在さらに多様な配列を用いて高効率に遺伝子修復が生じる化合物を検索中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Ito T.: "One of three examined purine-rich sequences selected from dystrophin exons exhibits splicing enhancer activity"Acta Myologica. 2. 151-153 (2001)

  • [文献書誌] Matsuo M.: "Treatment of Duchenne muscular dystrophy at the mRDA level."Frontiers in human genetics diseases and technologies.. 347-361 (2001)

  • [文献書誌] Tachi N.: "Fukuyama muscular dystrophy associated with lack of C-terminal domain of dystrophin."Pediatr. Neurol. 24. 373-378 (2001)

  • [文献書誌] Takeshima Y.: "Nakamura, H, Matsuo, M. Oligonucleotides against a splicing enhancer sequence led to dystrophin production in muscle cells from a Duchenne muscular dystrophy patient."Brain Dev.. 23. 788-798 (2001)

  • [文献書誌] Ito T.: "Purine-rich exon sequences are not necessarily splicing enhancer sequence in the dystrophin gene."Kobe. J. Med. Sci.. 47. 193-202 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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