研究課題/領域番号 |
13307026
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松尾 雅文 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10157266)
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研究分担者 |
八木 麻里子 神戸大学, 医学部付属病院, 助手 (60362787)
竹島 泰弘 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40281141)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | ジストロフィン / Duchenne型 / 筋ジストロフィー / 分子治療 / 遺伝子異常 |
研究概要 |
本研究ではRNA/ENAキメラを用いてジストロフィン遺伝子のエクソン41のスキッピングを誘導するDuchenne型筋ジストロフィー(DMD)の治療法について検討した。DMD患者でエクソン41に点突然変異によりナンセンス変異を有する例を治療対象とした。エクソン41は183塩基で、本エクソンがmRNAからなくなればナンセンスコドンがなくなるとともに残るmRNAのアミノ酸読み取り枠が回復されることになる。その結果、ジストロフィンの産生が回復することが期待される。 そこで、RNA/ENAキメラを用いてエクソン41のスキッピング誘導を検討した。エクソン41の配列全体をカバーする様に18マーからなるRNA/ENAキメラを多数合成した。そして、それぞれを培養筋細胞に導入し各RNA/ENAキメラのもつエクソン41スキッピング誘導能をジストロフィンmRNAをRT-PCRを解析することにより判定した。その結果、1つのRNA/ENAキメラが最も強くエクソン41のスキッピングを誘導することを明らかにした。 さらに、エクソン41にナンセンス変異を有する患者から樹立した培養筋細胞にこのRNA/ENAキメラを導入した。導入後ジストロフィンmRNAをRT-PCR解析したところ、エクソン41がスキップしたmRNAが90%近く得られた。導入した筋細胞をジストロフィン染色したところ、90%の筋細胞でジストロフィンが陽性になることが確認された。 以上の結果RNA/ENAキメラがエクソンスキッピングを極めて有効に誘導することが判明し、今後治療への応用が大きく期待されるところとなった。
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