研究課題/領域番号 |
13307028
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中内 啓光 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40175485)
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研究分担者 |
岩間 厚志 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70244126)
中村 幸夫 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (60231479)
渋谷 彰 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (80216027)
小野寺 雅史 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10334062)
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キーワード | 造血幹細胞 / 肝幹細胞 / 自己複製能 / SP細胞 / ABC transporter / bcrp-1 / ABCG2 |
研究概要 |
1)GFPトランスジェニックマウスならびにROSA26マウス由来の一個のCD34-KSL細胞、一個のSPLin-細胞、全骨髄細胞などを移植したマウスを多数作成し、さらに神経、筋、肝臓などに傷害をあたえた。その後、組織切片を作り、蛍光抗体法、特種染色などを行ない、蛍光顕微鏡や共焦点レーザー顕微鏡を用いて解析を行った。その結果、いずれの場合も多数のGFPあるいはLacZ陽性細胞を認めたが、そのほとんどは単球系の血液細胞であり、これまでに報告されているような造血幹細胞の可塑性に対して否定的な結果が得られた。 2)SP細胞はHoechst33342色素を排出する性質を持つが、これはABCtransporterによる能動的な輸送によると考えられている。そこでSp phenotypeの原因遺伝子を同定することを目的としてSPLin-細胞より全長型cDNAライブラリーを作成し、発現クローニングを行った。その結果、SP phenotypeの責任分子としてABCtransporterの一種であるbcrp-1/ABCG2を同定した。 3)一個の造血幹細胞を移植されたマウスの骨髄細胞を二次移植してRepopulation UnitならびにCompetitive Repopulation Unitを測定したところ、最初に移植された造血幹細胞が300-1000倍に増殖するが、ここの造血幹細胞のRUが有意に低下していることを明らかにした。造血幹細胞は強い自己複製能を持っているものの、それには限界があることが示された。 4)マウス胎児肝臓より自己複製能と多能性を兼ね備えた肝幹細胞の分離同定に成功した。
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