研究課題/領域番号 |
13307028
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 (2002-2003) 筑波大学 (2001) |
研究代表者 |
中内 啓光 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40175485)
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研究分担者 |
岩間 厚志 東京大学, 医科学研究所, 講師 (70244126)
依馬 秀夫 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50344445)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 造血幹細胞 / 自己複製 / 可塑性 |
研究概要 |
造血幹細胞とは自己複製能と多分化能の両者を合わせ持つ細胞であり、その性状解析にはクローナルなアッセイが必須である。我々はマウス骨髄から造血幹細胞を高度に純化し、1個の造血幹細胞を1匹のマウスに移植してその能力をクローナルに解析する方法を確立した。本研究ではこの方法を用いて(1)造血幹細胞には分化の可塑性、すなわち非造血細胞系譜への分化能力があるのか(2)造血幹細胞の自己複製には限界がないのかという2つの問題解決に挑戦した。 GFPをマーカーとして1個の造血幹細胞が移植後に分化増殖してどのような組織に分布するかを詳細に解析した実験からは、造血幹細胞由来の細胞は多臓器に分布したものの、多くの細胞は血液系の細胞であり、非血液系と判断できる細胞はほとんど検出できないことが明らかとなった。この結果は造血幹細胞の可塑性はあってもごくわずかであり非造血系臓器ないし組織の機能再生に役立つほどのものではないと結論した。 造血幹細胞の自己複製能力をクローナルに解析した実験からは造血幹細胞の自己複製能力は均質ではなく、またその能力には限界があることが明らかとなった。さらに、ポリコーム遺伝子群に属するBmi-1が造血幹細胞の能力を規定する分子のひとつであることが明らかとなり、現在、このメカニズムを解析中である。一方、造血幹細胞が自己複製するか分化するかの選択にはシグナル伝達系のアダプター蛋白であるLnkが強く関与することが明らかとなり、その作用機序についても現在解析を進めている。
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