研究課題/領域番号 |
13307029
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平井 久丸 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90181130)
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研究分担者 |
辻野 志穂 東京大学, 医学部・附属病院, 助手
黒川 峰夫 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80312320)
青木 克己 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40291322)
神田 善伸 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30334379)
中元 哲也 東京大学, 医学部・附属病院, 助手
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キーワード | AML1 / 造血発生 / コンディショナル・ノックアウトマウス / Lck-Creトランスジェニックマウス / CD19-Creトランスジェニックマウス / T細胞分化 / B細胞分化 |
研究概要 |
AML1は白血病原因遺伝子としての重要性がクローズアップされる一方、造血発生や造血制御との関連が注目されている。ノックアウトマウスを用いた解析では、AML1欠失マウスは胎生中期に死亡し、primitive造血は保たれるが、definitive造血は障害され、すべての系統の血球が産生されないことから、AML1は造血に必須であることが示されている。このように、AML1は造血発生過程に極めて重要な役割を果たすが、その成体における機能は不明である。本研究ではAML1の正常機能を明らかにするため、AML1のコンディショナル・ノックアウトマウスを作製した。作製されたAML1-LoxPマウスをLck-CreトランスジェニックマウスおよびCD19-Creトランスジェニックマウスと交配し、それぞれT細胞特異的AML1欠損マウスおよびB細胞特異的AML1欠損マウスの作製に成功した。T細胞特異的AML1欠損マウスは著しい胸腺低形成を示し、CD4, 8陰性(DN)分画内ではCD25陽性CD44陰性(DN3分画)に細胞が蓄積し、それ以降の分化が著しく抑制されていた。細胞表面CD3ε、TCRβの発現も低下していた。また、B細胞特異的AML1欠損マウスはB細胞数の著明な現象を認めた。これらのことは、AML1が成体における造血、特にリンパ球分化に重要な役割を果たすことを示している。今後は、これらのマウスにおけるリンパ球分化をさたに詳細に解析するとともに、骨髄球系細胞の分化に果たす役割についても解析を行う予定である。
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