研究課題/領域番号 |
13307038
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 紘一 京都大学, 医学研究科, 教授 (20115877)
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研究分担者 |
江川 裕人 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40293865)
木内 哲也 名古屋大学, 医学研究科, 教授 (40303820)
上本 伸二 三重大学, 医学部, 教授 (40252449)
笠原 群生 京都大学, 医学研究科, 助手 (30324651)
貝原 聡 京都大学, 医学研究科, 講師 (70324647)
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キーワード | 成人生体肝移植 / C型肝炎 / 免疫抑制療法 / 遺伝子解析 |
研究概要 |
成人生体肝移植の開始後、C形肝炎ウイルスによる肝硬変の症例を適応とする機会が増えているが、ステロイドを含む免疫抑制剤の使用下でのウイルスの再燃のため、予後は不良である。54例のC形肝炎ウイルスによる肝硬変に対して生体肝移植を施行したところ、生存例39人のうち20例に慢性肝炎が再発した。うち12人にインターフェロン,リバビリン治療が施されたが5例にしか効果を示さなかった。そのうえ、欧米の脳死全肝移植と比較すると、肝炎再発までの期間が、生体部分肝移植では短いことが分かった。また、移植後肝機能障害が認められた場合、それが拒絶によるものかウイルス性肝炎再発によるものかの鑑別が生検や血中のウイルスの定量では不可能であることが多いことが示され、拒絶に対するレスキューとしてのステロイドのパルス療法を施行するかどうかの判断に難渋している。なぜなら、非特異的に免疫を抑制するステロイドの使用が、他の免疫抑制剤に比べ特に血中のウイルスの量の増加を促進することが示されているからである。従って、拒絶の発生を増やさずにウイルスの再燃を遅延させるための免疫抑制療法を検討し、拒絶と肝炎を鑑別する方法を、開発することが重要である。われわれは、15年度より、以下の2点を試行する。1)タクロリムス・ステロイドの併用に代わり、タクロリムス・セルセプト(リンパ球の増殖を抑制する)の二剤併用による拒絶抑制と肝炎再発遅延に対する効果を検討する。2)移植後の患者の末梢血からウイルスと単核球からのRNAを抽出出し、DNAマイク口アレイによる広範な遺伝子のプロフィールを検討するごとで、拒絶と肝炎の鑑別が可能かどうか検討する。DNAマイクロアレイが新規遺伝子マーカーの発見に極めて有用であることは、14年度すでに、当科の免疫寛容患者のリンパ球に発現する遺伝子の検討の結果から示されており、本プロジェクトにおける応用が期待される。
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