• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

麻酔薬による遺伝子発現調節の分子機構と全身麻酔における意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13307046
研究機関京都大学

研究代表者

福田 和彦  京都大学, 医学研究科, 教授 (90199224)

研究分担者 古谷 秀勝  京都大学, 医学研究科, 助手 (60293974)
難波 恒久  京都大学, 医学研究科, 助手 (30283609)
キーワード麻薬 / 静脈麻酔薬 / 遺伝子発現
研究概要

麻酔科領域で用いられている薬物により誘発される遺伝子発現の変化につい検討することを目的として、次の研究を行った。
麻薬は疼痛治療の目的で古くから用いられている強力な鎮痛薬であるが、その使用により耐性や依存性が成立することが大きな欠点である。耐性や依存性には遺伝子発現の変化が関与している可能性がある。我々はCHO細胞にオピオイド受容体cDNAを導入して同受容体を大量発現させ、アゴニスト刺激により惹起される遺伝子発現を検索した。その結果、オピオイド受容体の活性化により、immediate early gene (IEG)であるc-fosとjunBの転写が亢進することが明らかになった。さらに、この反応はextracellular signal-regulated protein kinase (ERK)を介して起こることが明らかになり、転写因子Elk-1が関与する可能性が示唆された。また、c-fosとjunBの遺伝子産物c-FosとJunBは、AP-1を形成することによって、他の遺伝子の発現を誘導することが示唆された。
神経由来培養細胞PC12を用いて、静脈麻酔薬によるIEG発現誘導について検討した。その結果、thiopental、propofol、diazepamではIEG発現誘導が観察されないが、midazolamはERK活性化を介してc-FosとEGR-1の発現を誘導することが明らかになった。Midazolamの催眠作用はGABA_A受容体を介することが知られているが、IEG発現誘発作用はGABA_A受容体を介するものではなく従来知られていなかった薬理作用であり、その作用機序と生理的意義を解明することが必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shoda T. et al.: "Activation of μ-opioid receptor induce expression of c-fos and junB via mitogen-activated protein kinase cascade"Anesthesiology. 95. 983-989 (2001)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi