研究分担者 |
西原 達次 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80192251)
栗原 英見 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40161765)
安孫子 宜光 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70050086)
村上 伸也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70239490)
前田 勝正 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (00117243)
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研究概要 |
歯肉線維芽細胞と歯根膜細胞には破骨細胞の分化,延命,活性化を促進する作用があり(岡松/小林),クローン化歯根膜細胞では骨特有の転写因子や骨基質蛋白が発現していた(高山/村上)。ヒト歯根膜細胞は破骨細胞誘導を抑制する因子OCIFを発現していた(栗原)。TNF-αの転写因子LITAFはLPS刺激により細胞質内から核内へ輸送され,そのプロモーター活性部位が同定された(明貝)。CGRP(カルチトニン遺伝子関連ペプチド)はp38-MAPKとCREBのリン酸化ならびにERKの脱リン酸化を促進した(奥田)。 A.actinomycetemcomitansのリポ多糖は強い骨吸収活性をもち,BMPとアクチビンが破骨細胞の分化と活性化に関与していた(西原)。rhBMP-2は石灰化度の亢進など成熟した骨を誘導していた(入江)。ラット根尖性歯周炎では破骨細胞に近接したT細胞とマクロファージにRANKLの発現が認められた(前田)。歯肉溝滲出液中のプロコラーゲンペプチドが歯周炎の骨代謝診断指標として有用であった(永田)。 COX-2選択的阻害薬には抗炎症および骨吸収抑制作用があった(栗原)。MMP阻害剤はハムスター実験的歯周炎モデルにおいて歯槽骨吸収を有意に抑制した(永田)。ビスフォスフォネートはラットやイヌに惹起させた歯周炎の歯槽骨吸収を抑制した(澁谷)。スタチンはヒト歯肉線維芽細胞でIL-6の発現を有意に抑制した(山本)。 エナメル基質蛋白(EMD)の細胞接着促進作用にはEMD中の骨シアロ蛋白が関与していた(前野)。レーザー照射したマウス骨芽細胞様細胞から遺伝子バンクを作成し,レーザー非照射細胞から回収したmRNAを結合させて差分化し,発現促進遺伝子ライブラリーを構築した(安孫子)。骨吸収が高度であっても,歯周治療により歯槽骨は改善し約10年程度の保存は可能であった(八重柏)。
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