研究課題/領域番号 |
13308002
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中西 僚太郎 千葉大学, 教育学部, 助教授 (70202215)
|
研究分担者 |
関戸 明子 群馬大学, 教育学部, 助教授 (50206629)
椿 真智子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80236934)
岡島 建 国士舘大学, 文学部, 助教授 (80242791)
三木 理史 奈良大学, 文学部, 助教授 (60239209)
河野 敬一 常磐大学, 人間科学部, 助教授 (70211894)
|
キーワード | 牛馬耕 / 産業組合 / 温泉地 / ライフヒストリー / 都市計画運河 / 都市化 / 植民地 / 水産物缶詰工場 |
研究概要 |
今年度は昨年度に引き続き、各自がそれぞれのテーマ、フィールドにおいて調査研究を進め、データの収集と解析を行った。 国内の農村地域に関しては、明治農法の展開と普及について調査研究が行われ、茨城県の牛馬耕の展開は、町村別にみた場合、地域差が非常に大きいこと、牛馬耕普及にあたっては、各地の篤農家層の活動が重要であったことが明らかにされた。また農村地域の金融に関しては、長野県の産業組合は農村部における商工資金調達の手段の一つとして、零細銀行などとともに、利用者と設立者双方に選択的に活用されていたことが明らかにされた。 山村地域については、北関東の温泉地を事例として、鉄道網の発展とともに、伝統的な湯治場から保養遊覧地へと変容していく過程が、鉄道省編纂のガイドブックなどを手がかりに明らかにされた。漁村についても、西伊豆を事例として、ライフヒストリーをもとに近代における就業形態の変化が明らかにされた。 都市とその周辺地域に関しては、川崎・富山・尼崎で、昭和初期における都市計画運河の計画・事業決定の経緯と地域社会の動きが、文献資料および新聞記事をもとに明らかにされ、大阪市近郊については、都市化の進展に伴う鉄・軌道技術の変化が明らかにされた。そして、長野県における地方都市の変容過程とそのメカニズムが、商家同族会の展開をもとに明らかにされた。 植民地空間については、中国東北地方の調査は、断念せざるを得なかったが、朝鮮半島の研究は進められ、植民地期の朝鮮における水産物缶詰工場の立地は、南部における小規模な貝類缶詰工場から、大規模な中部のサバ類、北部のカニ缶詰工場へ展開したことが明らかにされた。 また、近代日本の統計地図作成へ向けた作業として、日本国内と旧植民地地域の小縮尺の地図が収集され、行政境界を記したベースマップが一部の地域について作成された。
|