研究課題/領域番号 |
13308005
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
牧野 カツコ お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (70008035)
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研究分担者 |
吉原 崇恵 静岡大学, 教育学部, 教授 (80022218)
佐藤 文子 千葉大学, 教育学部, 教授 (60215837)
中間 美砂子 國學院大學栃木短期大学, 教授 (60137312)
長澤 由喜子 岩手大学, 教育学部, 教授 (70164415)
鶴田 敦子 聖心女子大学, 文学部, 教授 (40250906)
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キーワード | 家庭科教育 / 児童・生徒の家庭生活 / 家庭科学習効果 / 授業実践 / カリキュラム / 家庭の機能 / 対人関係能力 / 生活の価値観 |
研究概要 |
第3年目にあたる平成15年度は報告書(I)『全国調査からみた家庭科の学習効果と家庭科カリキュラムへの提言』を作成した。報告書第1部でまず、家庭科の学習経験が、児童生徒の家庭生活の実態や、価値観の形成にどのような影響を与えるかを中心に再集計したクロス集計の結果をまとめた。平成14年度の全国調査の分析結果から「家庭科」を学んで、「できるようになった」「わかるようになった」「気づくようになった」「考えるようになった」ことが、少しあるいはたくさん「あった」と答えた児童・生徒達が、生活行動や生活意識の面で良い傾向を示していることが、予想以上に明確に示されたことから、よりわかりやすい形でクロス集計結果をグラフにまとめ、あらたな考察を加えた。 第2部では、まず「児童生徒の家庭生活調査」の学年別、男女別調査結果(13年度)と質的調査結果(14年度)から明らかになった実態に基づいて、家庭科カリキュラムの改善に関する具体的な考察を行った(第1章)。さらに、第2章では家庭科の学習において、「できる」「わかる」「気づく」「考える」に関連する学習効果を挙げている授業例を、それぞれの領域ごとに紹介した。全国9地区から集められた家庭科の具体的な授業記録とコメントで、今後の小、中、高等学校の家庭科の授業の質的な向上にすぐにも役立つことが期待できる。 また、第2年目から発足した「家庭科カリキュラム委員会」は、家庭科カリキュラムの構築にあったての考え方について精力的に研究討議を重ね、理論的な整理を行うとともに、学会大会(平成15年6月)、例会(平成15年10月)、家庭科セミナー(平成15年3月、16年3月)においてシンポジウム形式で中間報告を行ってきた。今年度は、これまでの成果を、平成15年度研究報告書(II)『家庭科カリキュラム構想の視点』としてまとめた。主な内容は_1.家庭生活_および子どもの学びの転換、2.家庭科の成立根拠3.カリキュラム構想の問い直し4.家庭科で子どもに育成したいリテラシー、5.子どもの実態に基づくカリキュラムづくりと実践の検討。なお、3年間にわたる研究結果を一般の教師、父母、研究者向けめ書籍として『家庭科で育つ子どもたちの力・家庭生活についての全国調査から』『家庭科カリキュラム構築の視点』として平成16年中に明治図書から刊行予定である。
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