研究課題/領域番号 |
13308006
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
倉賀野 妙子 甲南女子大学, 文学部, 教授 (60186484)
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研究分担者 |
西成 勝好 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (10254426)
和田 淑子 関東学院大学, 人間環境学部, 教授 (90123207)
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キーワード | レオ・オプテイクス / グルテン / 電子顕微鏡 / 膨化 / 小麦デンプン / 熱物性 / 画像解析 / 写真撮影による形状の経時変化の解析 |
研究概要 |
本研究は、不均一・多成分系の非平衡な濃厚分散系と定義されるべき食品の三大成分(タンパク質、デンプン、脂質)について、各々の基本物性を素材の構造力学の面から把握、整理することを目標としている。手法は動的粘弾性測定、熱物性、顕微鏡観察などのマクロな面とレオ・プティクスによるミクロな面から構造変化の追跡を試みる。 本年度はレオ・オプティクス装置を研究代表者勝田の研究室に納入できたが、勝田の死亡に伴い、1月に研究者代表者および分担者が変更になった。そのため、レオ・オプティクス装置を新分担者西成の研究室へ移設できたのが3月であり、その後、装置の使用法について装置製造会社に説明を求めているが、回答が得られておらず、複屈折測定についてまだ検討の段階にある。また、定常流粘性を測定しながら、200倍程度の倍率での粒子観察についても、現在準備中である。一方、食品の三大成分が混合したモデル系として取り上げた低水分系小麦粉焼き菓子については、前年度に購入して、形態変化を定量化できることを確認していた写真撮影による形状の経時変化の解析システムを用いて、画像解析によりマクロな形態変化を把握した。同時に、大変形下の破断試験、ファリノグラフ・エクステンソグラフ測定および熱物性(DSC測定)による検討、電子顕微鏡による観察を行った。低水分系であっても小麦粉のタンパク質は加水、混捏によりグルテン網状構造の形成にいたり、小麦デンプンも加熱過程を経て膨潤糊化が起きる場合があることを明らかにした。焼き菓子では加水量が著しく少ないため、水に溶解する糖質の存在がタンパク質、デンプンの構造の変化に関わることが推察できた。
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