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2003 年度 実績報告書

沖縄の食生活における老化抑制因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13308007
研究機関大阪市立大学

研究代表者

中谷 延二  大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (10011941)

研究分担者 森光 康次郎  御茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (00244533)
西川 禎一  大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教授 (60183539)
菊崎 泰枝  大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教授 (60291598)
キーワード沖縄 / 抗酸化性 / 抗菌性 / 抗感染菌活性 / 血小板凝集阻害活性 / 老化抑制因子 / 香辛植物 / 生活習慣病予防
研究概要

長寿県の沖縄県では生活習慣病による死亡率が低く、その背景には食生活が大きく関与しているものと考えられる。本研究は、沖縄県において伝統的に用いられてきた植物性食素材に着目し、老化抑制や生活習慣病予防等に有効な因子を探索し、その成分の単離と化学構造を解析し、機能を解明することを目的とした。
1.セリ科野菜のボタンボウフウから抗酸化性を指標として4種の新規化合物を含む32種の化合物を単離、構造決定した。ボタンボウフウの強い抗酸化性はケルセチン関連化合物およびクロロゲン酸類が寄与しており、とくにルチンの含量が高いことを見出した。
2.八重山諸島で食されているオオタニワタリの酢酸エチル抽出物が加齢に伴いヒト腸管に増加するウエルシュ菌に対して強い抗菌性を示した。その活性区分からパルミチン酸、パルミチン酸α-モノグリセリドおよび5-(2-oxopropyl)-tetrahydro-2-furanoneを単離、構造決定した。これら3種の化合物はウエルシュ菌のみならず黄色ブドウ球菌に対しても抗菌性を示した。
3.沖縄独特のカンキツであるシークァーサーとカーブチーより、ヒト血小板凝集阻害物質としてノビレチン、タンゲレチンなどを単離、同定した。血小板内カルシウム濃度上昇抑制に関する新たな知見も得た。またヒトにおいて青パパイアの短期摂取による血流改善効果を測定し、著しい効果を認めた。
4.ナチュラルキラー(NK)活性と好中球の貪食殺菌能を測定する実験系を構築し、種々の食品成分や栄養成分が与える影響をin vitroで検討した。その結果、好中球の貪食殺菌活性をビタミンCやビタミンE、あるいはチオプロリンやN-アセチルシステインなどの抗酸化物質が賦活することが明らかになった。自然高血圧発症ラットを用いた実験においてタマネギにNK活性改善効果が認められた。これらのデータを基に沖縄産植物の抽出物を用いて実験を開始した。
以上、伝統的に食されてきた沖縄の植物性食材から、抗酸化活性、抗菌活性を有する植物種を見出し、ヒトの健康、老化予防に有効性が期待される活性成分を明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Morimitsu Y.: "Antioxidative compounds in spices and herbs"Shokuhin Eiseigaku Zasshi. 42・2. 63-70 (2001)

  • [文献書誌] Hisamoto H.: "Antioxidant Compounds from the Leaves of Peucedamum japonicum Thunb"Journal of Agricultural and Food Chemistry. 51・18. 5255-5261 (2003)

  • [文献書誌] Hisamoto H.: "Constituents of the Leaves of Peucedamum japonicum Thunb. and Their Biological Activity"J.Agric.Food Chem.. 52. 445-450 (2004)

  • [文献書誌] 西川禎一: "NK(ナチュラルキラー)細胞と栄養学"栄養学雑誌. (印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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