研究課題/領域番号 |
13308008
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
南川 雅男 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (10250507)
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研究分担者 |
長尾 誠也 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (20343014)
入野 智久 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (70332476)
山本 正伸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (60332475)
松井 章 独立行政法人文化財研究所, 奈良文化財研究所, 主任研究官 (20157225)
西本 豊弘 国立歴史民族博物館, 教授 (70145580)
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キーワード | 安定同位体 / 人類活動 / 質量分析 / 土壌有機物 / 家畜 / バイオマーカー / 初期農耕 / 雑穀 |
研究概要 |
栽培活動によって変質した土壌成分の検出に適用するため以下の遺跡で研究を行った。上福島中町遺跡(群馬県の江戸時代に火山灰泥流により埋没した畑作地遺跡)、美々北遺跡(北海道の縄文中期の耕作地と推定される遺構)、ナガラ原貝塚(沖縄県の畑作地にある弥生期の貝塚)、比較対照として現代の北海道内の栽培地として北海道立十勝農地試験所内の連用農地などでも試料を採取した。また人骨の埋葬により土壌有機物や微生物活動により生じる変化を研究するため新方遺跡(兵庫県下の古墳時代の埋葬地)で、木棺の周辺や内部の土壌試料を採集した。これらの一時代の試料とは別に、長期的な植生の変化や気候変化の影響で変わる土壌有機物の傾向を知るために、中池見湿原(福井県)と剣淵盆地(北海道)の過去約2万年にわたるボーリングコアの分析も行った。試料の処理法として燃焼気化装置の条件検討をおこない、土壌中の有機化合物の検出と同定方法について測定条件を検討した。肥料を導入することによってもたらされる土壌有機物をバルク有機態炭素や窒素の安定同位体組成によって検討した。プラントオパールや、土壌表面の構造から過去に耕作を行っていたと推定されている美々遺跡の土壌については、北海道の森林土壌に比べるとδ^<15>は約8‰δ^<13>Cは約5‰重くなっており、この偏向傾向は現代の雑穀畑の土壌有機物が示す方向と一致しており、この遺構が耕作地であった可能性を支持する証拠と考えられる。
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