研究概要 |
本研究では,3次元ビデオ映像という新たな情報メディアを開拓し,DVDやディジタルテレビ放送,広帯域インターネットを活かした21世紀における映像メディア技術・文化を産み育てることを目的としている.本年度得られた成果は以下のとおりである. 1.準視点固定型パン・チルト・ズームカメラのキャリブレーション法の開発:準視点固定型パン・チルト・ズームカメラという首振りカメラに対する高精度なカメラモデルを考案し,そのキャリブレーション法を開発した.これによって,広範囲を移動する対象を追跡しながら多視点映像を撮影することが可能となった. 2.3次元ボクセルを利用した人体の姿勢推定法の開発:昨年度開発した視体積交差法によって得られた3次元ボクセルデータに対して人体の多関節モデルをあてはめ,その姿勢を推定するアルゴリズムを開発した.これによって,人体の動作に応じてカメラを制御し詳細な多視点映像を撮影することが可能となった. 3.全方位ビデオ映像の符号化法の開発:高解像度全方位ビデオ映像を符号化する方法として,正多面体展開図法を考案し,いずれの正多面体を用いるのが最も効率的であるのかを実験的に評価し,MPEG会議にてその結果を報告した. 4.参照球を用いた光環境センシング法の考案:複数の球を実世界に配置し,その表面上での陰影パターンを解析することによって光源の種類,位置,方位を推定するアルゴリズムを考案し,シミュレーションによってその有効性を示した.これによって,3次元ビデオ映像に対して,光源の付加や削除といった新たな編集が可能となる.
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