研究概要 |
本年度得られた成果は以下のとおりで,3年間の研究によって,3次元ビデオ映像の能動的実時間撮影・圧縮・編集・表示法の開発という本研究の目的は十分達成されたといえる. 1.人物の姿勢に基づく多視点カメラワークの最適化法の開発:視体積交差法によって得られた3次元ボクセルデータに対して人体の多関節モデルをあてはめ,得られた姿勢に応じてカメラ群の視線方向およびズーム倍率を制御することによって,詳細な3次元形状を復元するアルゴリズムを開発した. 2.高精度な動的3次元形状復元アルゴリズムの考案:視体積交差法で得られた対象の3次元ボクセルデータの表面に三角形パッチを張ったものを初期形状として,画像に写された(a)対象表面のテクスチャおよび(b)対象の輪郭形状,(c)3次元空間中での対象表面の滑らかさ,(d)ボクセルの3次元運動,(e)3次元運動履歴を評価基準としてパッチ形状を変形させることにより,動的に変化する3次元ボクセルデータから対象の3次元動作を高精度に復元する動的弾性メッシュモデルを考案し,実験によってその有効性を示した. 3.セルフシャドウを用いた光環境センシング法の考案:スケルトン・キューブ(枠のみからなる立方体)が多数の照明によって照らされてできるセルフシャドウおよびシェーディングから,光源種類,位置,方位を推定するアルゴリズムを考案し,シミュレーションによってその有効性を示した. 4.3次元ビデオ映像の圧縮法に関する国際標準化提案:3次元ビデオ映像の圧縮法を考案し,研究代表者が委員長を務める(社)電子情報技術産業協会3D-MM委員会を通じて,MPEG会議に提案した.
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